学費がない問題をどうするか
子供が私立に行ったらお金がないから公立に行かなければならないという状況があったとする。それはお金がないことによって結果として私立が選択肢から消えて、公立の一択になったことになる。そういう状況を防ぐためには私立に行っても問題がないようにお金をためなければならない。その結果、私立に行けるという選択肢が増える。選択肢を持つ事は価値がある事である。
選択肢を増やすためにお金を貯める必要があるわけだが、大抵の場合は、ある日、お金が降ってきて選択肢が増えるわけではないので、ライフイベントの時期と必要な金額から逆算して計画的にお金を増やす必要がある。では、ライフイベントの時期はいつ確定するかというと、生まれることが決まった瞬間にすでに確定している。生まれたての0歳の子供は6年後には6歳になり小学校に入学する。12年後には中学校、15年後には高校、18年後には大学に入学する。大体そういうものだ。
従い、学費は子供に私立の学校には絶対に行かせないと初めから決めている場合を除いて、準備は生まれる前とか、生まれた瞬間などのできるだけ早い段階から計画的に用意しなければならない。公立になるか私立になるか分からないから準備せず、私立になると確定した時点から考え始めるというのでは手遅れだ。子供が私立の学校に行きたいと言い出したときとか、子供に行かせたいと思いついたその時から準備を始めるのでもない。生まれる前から準備を始めるものだ。
中学受験はならぬ、絶対に公立の学校だと初めから決めている場合を除いて、可能性があるなら中学受験はして私立に通う前提で資金計画の準備はするものだ。結果として中学が公立になって、その準備した資金が必要なくなれば、高校に回し、高校で必要なくなれば大学に回し、大学が必要なくなれば結婚資金に回し、それも必要なくなれば老後資金に回る。繰り越しになるが、運用の期間が延びて繰り越せば繰り越すほど資金は増えるので、選択肢の幅が広がることになる。選択肢が増えることは価値がある事である。選択肢を増やす以外に生まれる前から準備を始めるもう一つの理由は、資金の運用の時間が長く取れる事である。0歳から非課税枠を使い複利運用して増やすことが将来の為に重要であり成功確率を高める。
もう一つのアプローチとしては私立の学校で特待生制度や奨学金制度を使い学費そのものを公立以内に抑えるという方法もあるようだ。公立や奨学金制度も活用できる私立を選択肢に入れ狙うことは狙う。結果として費用が抑えられた場合は資金を繰り越しにする事で選択肢の幅が広がる。ここで問題は学費を抑えるために制度活用ができる学校を前提にするとそれはそれで選択肢の幅が狭まり、選択肢を増やすために資金を貯めるはずだったのが逆になってしまう。初めから制度活用しなければ資金がないという状況の場合を除いて、制度活用を視野に入れて検討して結果として採択されれば使うぐらいにとどめる必要がある。資金がないという状況を防ぐためには、結局、結論においてはライフイベントが確定した段階で早く準備を開始して続けることだ。