その節はどうも、の真意 | そこねハンターのブログ

その節はどうも、の真意

日本語の表現に「その節はありがとうございました。」
という表現がある。日本語を勉強中のKさんに
僕はこの難しい表現を使ってしまって、



『その節ってなんですか?』



というやっかいな質問を受ける羽目になってしまった。


このケースでの「その節」を具体的に説明すると、
「先々週の土曜日に雨の中、表参道を散歩したあの日」
となります。

僕がKさんにそのように説明したら、はじめから
そう言えばいいじゃないか、と言われてしまいました。


しかし僕の感覚的には、



「先々週の土曜日に雨の中、表参道を散歩したあの日
    はどうもイロイロとありがとうございました。」


とわざわざ言うのは長すぎて面倒なので、
そんな面倒なことになるのだったら言うのはよしておこう

という話になります。

それよりも重要なことは、そんな具体的に話してしまったら、
その時、周りにいた人たちに僕とKさんが先々週、雨の中を
一緒に表参道を散歩していた事が知られてしまいます。
余計なことを他人に知られてしまうのは具合が悪いです。

そもそも、「その節」の内容を具体的に説明している時点で、
もう、この会話は台なしです。

当事者どうしにしか真意がわからない、

しかも当事者同士はきちんと理解しているというところに、

「その節はどうも」

という表現の良さがあるのです。

しかし、考えてみると日本社会というのは、
こういう言葉の表現ひとつ取ってみても
隠蔽社会なのかもしれないとふと思いました。




部長
「きみきみ、例の件、あれだけど、来週までに頼むよ。」


「はい、わかりました。」



こんな意味のわからない会話が成り立ってしまうのが

日本語なのです。
そして、この会話が聞こえてしまった他の人は、
例の件が何かというなど気にする必要も
知る必要もないのです。


実は例の件と言うのは、

とても恐ろしい事かも知れませんが。。。。。