ヘッジファンドとアラブ人に要注意
最近、日本の株価の動向について、
著名な投資家の方から以下のような解説を受けた。
「現在、円建てで借入をして日本株を購入している
海外のヘッジファンドが量的緩和の早期解除の観測を受けて、
(将来、日本の金利が上がるとの予測から)
円建ての借入を返済し始めたため
日本株が売られて株価が下落している。
しかし、アラブの投資家を中心とする外国人投資家が
日本株を欲しがっており、日経平均が15000円近辺では
彼らが買ってくると思われるので日本株は底堅い。」
ん~、何ともグローバルな壮大な視点の解説だが、
この解説の中には1箇所、いい加減な部分がある。
アラブの投資家が15000円で買ってくるというくだりで、
彼らがいくらで買ってくるかなど、
本来は誰にもわからないはずである。
しかし、企業業績の決算やファンディメンタルを
気にすることはあれ、普通はなかなか
アラブ人の事まで考えて投資はしない。
この話の中では『ヘッジファンド』とか
『アラブの投資家』というプレーヤーが登場するが、
そもそも彼らは一体何者なのか、
そしてマーケットに対してどれだけのインパクトを持つ存在なのか、
少し疑問に思ってこの機会に少し調べてみることにした。
◎ヘッジファンドについて
ヘッジファンドはアメリカに多く存在し、
投資信託と同じように資金を預かって運用している
ファンドのことを言う。
投資信託と比べて、一般的に少数の投資家から大金を集めて
資金を運用しており、大体、百万円から一千万円を最低単位
とした投資になる。相場の動きに左右されないで
収益を挙げることを目指しており、売り買いを
交錯させたりするのが特徴である。
ヘッジファンド市場は既に110兆円超で、
大きな市場規模がある上、借入を行ったり、
デリバティブを利用したりして、
持っている資金の何倍ものポジションを持つことが多く、
それゆえに相場に与える影響も大きい。
通常の感覚だと、値上がりやリターンの期待が
大きそうなモノを探して投資をするのだが、
ヘッジファンドは運用する人の腕さえよければ、
下げ相場でも儲けられる。なのでヘッジファンドを探す場合は、
値上がりしそうなモノではなく、代わりに
例えば優れたファンドマネージャーを探して
その人に任せて投資をするという考え方になりそうだ。
◎アラブ人の投資家について
近頃の原油価格の高騰を受けて、
原油の産地である中東には大金が流れこんでいる。
ここで言うアラブの投資家とは原油によって財をなした
人たちのことを言っているのだと思われる。
例えばサウジアラビアの原油産出量を
330325万バレル、1バレル57ドルとかで
試算すると年間22兆円になる。
このうちどれぐらいをアラブ人の投資家が
持っているのか知らないが、とりあえず大金には
間違いない。マーケットに与えるインパクトは大きそうだ。
ところで、イスラム社会では金利の徴収は悪いことだと
考えられている。資本主義の原則だが、
おカネを借りる側の貧しい人が金利を払うとますます貧しくなり、
おカネを貸す側の裕福な人が金利を受け取るとますます裕福になる。
しかし、アラーの神の下では人は平等であるべきであり、
金貸しは悪という見解になるそうである。
そのイスラム社会でも配当を受け取ることは許されており、
そういう背景でアラブの投資家のオイルマネーは預貯金ではなく、
株式、とりわけファンディメンタルが良好な日本株に
流れこんできているようである。