6.村上ファンドは何を考えてるか
◎2人のサラリーマンの話
さて、ここに2人のサラリーマンがいるとします。
元木君の年収は450万円、年間支出は200万円、
貯蓄は800万円です。収入が安いですが支出も少ないです。
田中君の年収は800万円、年間支出は780万円、
貯蓄は1500万円です。収入は多いですが生活も派手です。
田中君と元木君の年収は今後10年、変わらないとします。
◎結婚相手か、投資対象か
エリートサラリーマンの田中君は年収も高いし、
羽振りもいいし、金も持っています。
これが結婚相手を選ぶなら簡単な話で、
田中君の方がいいに決まっています。
しかし、投資対象としてみると一概にそうは言えません。
元木君は生活がスリムで毎年250万円も貯蓄するのに
対して、田中君は20万円しか貯蓄できないのです。
10年後にお金をたくさん持っているのは元木君なのです。
これが会社であれば一株あたりの純資産が4倍に
増えるので、株価も高くなります。
さて、仮に元木君と田中君が株式会社だったとして、
どちらかの会社に投資するとします。
◎やり手の機関投資家の場合
エリートサラリーマンの田中君は支出が多く、
このまま行くと10年後に1700万円しか貯蓄を
持っていません。ですが機関投資家はあえて、
浪費家の田中君に投資して、田中株を半分以上、
買い占めました。
そして、田中君に無駄使いを辞めさせて、
年間400万円節約させて200万円で生活するように強いました。
田中君は年間600万円も貯蓄できるようになって、
機関投資家は大きな利益を得ました。
◎しょぼい個人投資家の場合
もっさーんのようなしょぼい個人投資家は
そういうわけにはいきません。
個人投資家はそんなに株を買い占めて、
経営に口を出せるほどお金を持っていませんので、
堅実な元木君の性格を信頼して、
元木君に投資して10年間放置するわけです。
10年後に元木君の貯蓄額は3300万円に
増えていますから、長い目で見たら堅実な
元木君に投資した方がお得なのです。
◎知る必要はない
結局のところ、機関投資家と個人投資家では、
考えることも発想も全然違うのです。
ですから、もっさーんのようなしょぼい投資家が
村上ファンドが何を考えているのかを
想像すること自体、全く意味がないです。
村上ファンドが買い占める株は値上がりします。
機関投資家の動きが事前にわかれば、
先回りして便乗して利益を得ることもできます。
しかし、これは、あまり本質的な話ではありません。
村上ファンドの存在は確かに気になりますが、
あまり意識せずに地道にやっていこうと思います。

