17年ぶりの将棋教室
先日、羽生義治著「決断力 」という本を読んだ。
おおいに啓発された私は会社帰りに、
実に17年ぶりに将棋教室へ行ってみることにした。
実は、もっさーんは小学生の頃に
将棋を習っていたこともあり、
将棋弐段の実力者なのである。
NHK主催の「ことも名人戦」ではベスト16で、
奨励会入りしてプロの道を歩むことも
考えていた時期すらあった。
なので将棋はそのへんの人よりは
少しばかり強いのである。
とはいえ、17年のブランクがある。
ここ10年ぐらいまともに将棋を指していない。
ドキドキしながら将棋教室へ足を踏み入れた。
受付のおっさんに棋力を聞かれたが、
ブランクが長くてよく分からないので、
測ってくれとお願いした。
結局、最初の相手は受付のおっさんになった。
ちなみに受付のおっさんは見た感じ50歳ぐらいで、
こんな顔。
「おにいさん、若いですねえ。」
受付のおっさんは明らかに不信な表情をしていた。
その表情はあんた本当に将棋ができるのか?
と言わんばかりだった。
確かに平日の将棋教室には40代以降の、
おっさんが多く、私のようなスーツを着た若手(?)が
平日の将棋教室にふらっと現れるというのは
どう考えても怪しく、爆弾テロを仕掛けに来た
不審者が現れたと疑われても仕方がないのである。
しかし、そのおっさんは不信人物な若手の私にあっさり負けた。
こういう勝負事の世界こそ、実力が全てである。
経験や年齢など関係ない。極端な話、経験20年以上の
50歳や60歳の人が10歳のチビッコに負けて
頭を下げることもあるのである。
子供の頃に将棋をやった人は、何となくこの気持ちが
分かると思うが、僕はその昔、大人相手にバカスカ
勝てるのが仕方がなくて将棋をやっていた。
大人が勝負ごとで自分に負けて頭を下げるのが
快感で仕方がなかった。
僕はそういう憎たらしくてかわいげのない少年だった。
今回も50ぐらいのおっさんに勝ってしまったわけである。
「参りました。いや~、おにいさん強いですよねえ。
もう一回やりましょう。」
おっさんに泣きつかれ、仕方なく再戦することにした。
最近はもっさーんも大人になったので、
年配の人に勝ってしまうというのは、うれしいと言うより、
どちらかと言うと申し訳ない気分である。
再戦の結果は私が負けて1勝1敗となった。
そのおじさんは初段の持ち主で、私は初段相手に
1勝1敗でとりあえず「初段」と認定された。
続いて、4段の強豪のおじさんと対局してコテンパにやられ、
牛乳ビンみたいなメガネをかけたIQ.160ぐらいありそうな
将来はプロ棋士と期待されている初段の小学生と
2回対戦して1勝1敗だった。
チビッコ相手に大の大人が負けてしまうとは。。。。
「してやったり!」という相手のチビッコの気持ちが
わかるだけに憎たらしぃ~
もっさーんもチビッコに1回勝ったから、まあいいか。
トータルで2勝3敗。ん~、17年のブランクがある割には
意外と私の実力は健在じゃないか~、
と満足して帰宅した。
面白かったけど、将棋教室なんか、
もう老人になるまでは行かねぇ。
