すべてのG1馬のために

すべてのG1馬のために

競馬のG1馬に特化した記録を、いろいろな角度からまとめていきます。

これまでの競走馬の中でどの仔が一番強いのか、という議論が尽きることはありません。そのため、当ブログでは競走成績から実績ポイント(以下実績pt)を算出し、それを基にランキングを作成しました。

 

まずは実績ptについて説明します。

 

 

〔1〕GⅠ(障害GⅠおよび地方JpnⅠを含む、以下同じ)勝利には、1勝につき100点を与える。ただし、レースの歴史、格式、競走体系上の位置づけ等を考慮し、以下のように定める。

 

①旧八大競走およびジャパンカップは、日本競馬において特別な位置づけにあることから300点とする。ただし、東京優駿はその世代の最高の馬を決める一生に一度の競走であることから600点、有馬記念およびジャパンカップは現状の賞金体系を考慮し400点、牝馬限定は200点とする。

 

②大阪杯(GⅠ昇格後)と宝塚記念は、日本競馬が芝中長距離中心の体系であることから、①に準じて300点とする。

 

③①に含まれない古馬混合の国際GⅠ(地方開催も含む)は一律で200点とする。

 

④海外の国際GⅠは、レースの格の違いを客観的に判断できないため、一律で300点とする。

 

⑤その他世代限定GⅠ、障害GⅠおよび地方JpnⅠは、一律で100点とする。

 

⑥牡馬クラシック三冠馬および牝馬三冠馬は偉業を讃え、その部分の合計点を2倍する。なお、変則クラシック三冠馬のクリフジ号はこれに準ずる。

 

〔2〕GⅠ勝利以外には、以下のようにポイントを与える。

 

①GⅠでの2着および3着は、レースによらず30点および10点とする。

 

②GⅠ以外の重賞勝利は、レースの格によらず20点とする。

 

③重賞以外の勝利は、レースのクラスによらず1点とする。

 

〔3〕グレード制前は、以下のレースをGⅠ競走と定義する。

旧八大競走・ジャパンカップ・宝塚記念・エリザベス女王杯(前身のビクトリアCも含む)・朝日杯3歳S・阪神3歳S・中山大障害

 

 

以上のルールによって算出したポイントは、日本競馬で何を成し遂げたのか、ということを評価したものなので、一緒に走るとどの仔が最も強いのか、を示したものではありません。

 

それでは、実績馬ランキングの上位15頭を発表します。

 

1位 シンボリルドルフ(1981年生) 4003点

2位 ディープインパクト(2002年生) 3892点

3位 オルフェーヴル(2008年生) 3691点

4位 シンザン(1961年生) 3447点

5位 ナリタブライアン(1991年生) 3013点

6位 コントレイル(2017年生) 3011点

7位 アーモンドアイ(2015年生) 2961点

8位 ミスターシービー(1980年生) 2752点

9位 ジェンティルドンナ(2009年生) 2641点

10位 テイエムオペラオー(1996年生) 2542点

11位 キタサンブラック(2012年生) 2432点

12位 セントライト(1938年生) 2425点

13位 クリフジ(1940年生) 2227点

14位 ウオッカ(2004年生) 2112点

15位 イクイノックス(2019年生) 2081点

本日は2000年生まれです。

 

G1馬頭数 14頭(牡馬10頭 牝馬4頭)

G1勝利数 29勝(牡馬22勝 牝馬7勝)


この世代のG1馬は14頭ですが、その半数にあたる7頭がサンデーサイレンス産駒です。日本調教馬では43頭ものG1馬を輩出した当馬ですが、この数は全世代で最多です。

 

それではランキングです。いつも通り、G1馬のみのランキングです。

 

(1)  G1勝利数ランキング

 1位 ブルーコンコルド  7勝(地方7勝)

 2位 ユートピア     4勝(地方4勝)

 3位 ゼンノロブロイ   3勝(中央3勝)

 3位 スティルインラブ  3勝(中央3勝)

 

(2)  重賞勝利数ランキング

 1位 ブルーコンコルド  11勝

 2位 ユートピア     7勝

 3位 ゼンノロブロイ   5勝

 3位 ネオユニヴァース  5勝

 3位 スティルインラブ  5勝

 

(3)  勝利数ランキング([地]を除く)

 1位 ブルーコンコルド  15勝

 2位 スプリングゲント  10勝

 3位 オレハマッテルゼ  9勝

 3位 ユートピア     9勝

 

(4)  総賞金ランキング

 1位 ゼンノロブロイ   1,135,651,500円

 2位 ブルーコンコルド  977,809,000円

 3位 ネオユニヴァース  613,376,000円

 

(5)  生涯レーティングランキング(牝馬は+4)

 1位 ゼンノロブロイ   122

 2位 ヘヴンリーロマンス 116(120)

 3位 ネオユニヴァース  117

 3位 アドマイヤグルーヴ 113(117)

 3位 スティルインラブ  113(117)

 

 

まずは、ゼンノロブロイです。3歳2月と遅めのデビューとなった当馬は、クラシックではダービー2着、菊花賞4着と無冠に終わります。その後も有馬記念3着、天皇賞(春)2着など、善戦はするものの勝ちに恵まれずにいましたが、4歳の秋、O.ペリエ騎手を背に一気に才能が開花したのか、天皇賞(秋)、ジャパンC、有馬記念を3連勝し、テイエムオペラオー以来、史上2頭目の中距離3冠を達成しました。そして、サンデーサイレンス産駒として初の年度代表馬に選ばれました。5歳になってからは勝利こそできませんでしたが、イギリスのインターナショナルSで僅差の2着に入るなど活躍をしました。

 

2頭目はネオユニヴァースです。デビュー戦で福永騎手から「G1級」と絶賛された当馬は、きさらぎ賞、スプリングSと勝利を重ね、クラシックを主役として迎えます。そして、短期免許で来日していたM.デムーロ騎手を背に皐月賞、ダービーを制し、史上19頭目の春クラシック二冠を達成します。そして三冠を目指し、短期免許の特例措置により再び来日が叶ったM.デムーロ騎手を背に菊花賞を迎えましたが3着に破れ、ナリタブライアン以来の三冠達成とはなりませんでした。その後は怪我もあり、G1勝利を増やすことはできませんでした。

 

3頭目はスティルインラブです。春クラシックはともに2番人気で迎えましたが、両レースとも1馬身1/4差で勝利し、ベガ以来10年ぶり10頭目の牝馬クラシック二冠を達成します。牝馬三冠を目指した秋はローズSで5着に敗れたこともあり、秋華賞も2番人気で迎えますが見事に勝利し、メジロラモーヌ以来17年ぶり、三冠目が秋華賞なってからは史上初の牝馬三冠に輝きます。その後は続くエリザベス女王杯で2着に破れるなど、秋華賞以降は勝利することができませんでした。

 

4頭目はアドマイヤグルーヴです。牝馬三冠はすべて1番人気に推されるものの桜花賞3着、オークス7着、秋華賞2着と無冠に終わります。しかし、続くエリザベス女王杯で遂にスティルインラブをハナ差で制し、一矢を報います。古馬になってからは活躍できなかったスティルインラブとは違い、アドマイヤグルーヴは牡馬相手にも競馬をし、4歳秋には天皇賞(秋)3着に入ります。そして連覇を狙ったエリザベス女王杯で見事に優勝し、メジロドーベル以来2頭目の連覇を達成しました。繁殖牝馬としては、ドゥラメンテの種牡馬としての活躍もあり、血統表にも長く残ることでしょう。

 

5頭目はもう1頭の牝馬、ヘヴンリーロマンスです。前の2頭は3歳から活躍しましたが、当馬がオープン入りを果たすのは4歳の春です。4歳の年末には阪神牝馬Sを制し、重賞ホースの仲間入りをしますが、5歳の春は掲示板にすら載れない競馬が続きます。ところが夏になりクイーンSを2着の後、連闘で臨んだ札幌記念を勝利。その活躍もあって戦後初の天覧競馬となった天皇賞(秋)に挑み、エアグルーヴ以来8年ぶりの牝馬による勝利を飾りました。なお14番人気での勝利は、レース史上最低人気での勝利です。

 

6頭目はオレハマッテルゼです。2000年に山元トレセンの火事によって焼死したエガオヲミセテの弟である当馬は、2000mの3歳未勝利戦でデビューを迎え、4戦目で初白星を挙げます。その後、距離を徐々に短くしていき、6歳の春にして初めてのスプリント戦をG1の高松宮記念で挑み、見事に勝利を収めました。スプリント戦経験がない馬が高松宮記念を制したのは史上初です。

 

7頭目はダートで活躍したブルーコンコルドです。2歳時には小倉2歳Sで2着、京王杯2歳Sで1着など、芝でも活躍しましたが、3歳秋のスワンS11着を最後にダートへ転向します。そして、5歳春にプロキオンSを制し初重賞制覇を成し遂げると、秋にはJBCスプリントを制し、G1ホースの仲間入りをします。その後、東京大賞典2勝、南部杯2勝、かしわ記念、JBCマイルを各1勝と、8歳までで1400mから2000mの距離で7つもの栄冠を手にしました。ところが、これだけの勝利を重ねたにも関わらず、種牡馬としてのオファーがなく、血統を残すことができませんでした。

 

8頭目はユートピアです。2歳で全日本2歳優駿を制した後、3歳でダービーグランプリ、4歳と5歳で南部杯と、4年連続でG1勝利を果たしました。また、活躍の場はダートだけでなく、NHKマイルCで4着、安田記念で4着に入るなど、勝利こそないものの、芝でも活躍しました。引退後は米国やトルコで種牡馬生活を送りました。

 

最後はスプリングゲントです。6歳で入障した後、未勝利、オープン、オープン、京都JS、東京HJ、京都HJと6連勝を飾ります。屈腱炎での長期休養を挟み8歳で復帰、平地を2回使った後、中山大障害で4着に入ります。そして9歳になり、阪神SJで2着になった後、中山GJで遂にG1初制覇を達成しました。その後は馬券に絡むことはありませんでしたが、13歳まで現役を続けました。

 

本日はここまでです。

本日は2001年生まれです。

 

G1馬頭数 18頭(牡馬14頭 牝馬4頭)

G1勝利数 34勝(牡馬27勝 牝馬7勝)


この世代のG1馬頭数、G1勝利数はともに、21世紀生まれの世代の中では平均よりやや少なめですが、特筆すべきは「自身がG1馬で、かつクラシックホースの父となった馬」が4頭もいるということです。この数は全世代でトップです。また、マイルチャンピオンシップを4勝しており、牡牝混合平地G1を4勝しているのはこの世代のみです。

 

それではランキングです。いつも通り、G1馬のみのランキングです。

 

(1)  G1勝利数ランキング

 1位 ダイワメジャー   5勝(中央5勝)

 1位 アジュディミツオー 5勝(地方5勝)

 3位 スイープトウショウ 3勝(中央3勝)

 

(2)  重賞勝利数ランキング

 1位 カンパニー     9勝

 2位 ダイワメジャー   8勝

 3位 スイープトウショウ 6勝

 

(3)  勝利数ランキング([地]を除く)

 1位 カンパニー     12勝

 2位 ダイワメジャー   9勝

 3位 ハットトリック   8勝

 3位 スイープトウショウ 8勝

 

(4)  総賞金ランキング

 1位 ダイワメジャー   1,061,810,900円

 2位 カンパニー     939,698,000円

 3位 ハーツクライ    925,360,900円

 

(5)  生涯レーティングランキング(牝馬は+4)

 1位 ハーツクライ    124

 2位 カンパニー     122

 3位 ダイワメジャー   121

 3位 スイープトウショウ 117(121)

 

まずは、すべてにランクインしたダイワメジャーです。デビュー戦で腹這いになってしまうほどのヤンチャなこの馬のG1初勝利は皐月賞でしたが、10番人気という低評価でした。それもそのはずで、出走時点ではダートでの1勝しかできていませんでした。1勝馬が皐月賞を制したのは、1950年のクモノハナ以来です。また、3歳秋には2戦連続で最下位になるなど喘鳴症に苦しんでいましたが、その手術を経てからさらにG1勝利を4つも重ねたことで、同じ症状で苦しんでいる馬にも勇気を与えました。

 

2頭目はハーツクライです。クラシックは順に14着、2着、7着と縁がありませんでしたが、4歳秋のジャパンCでは、当時のレコードを0.1秒更新するタイムで2着に入り、続く有馬記念でディープインパクトを破ってのG1初勝利を収めます。なお、この勝利がC.ルメール騎手にとって国内G1初勝利となりました。5歳になりドバイSCで圧勝し2つめの栄冠を獲得した後、英国にも遠征しキングジョージに出走しました。そこでは惜しくも3着に敗れ、6歳での再挑戦の話も出ましたが、喘鳴症の影響でジャパンCを見せ場なく10着に負けたことから、引退となってしまいました。

 

3頭目はカンパニーです。マイルから2000mまでの舞台を中心に長きにわたって活躍した馬ですが、本格化したのは8歳の秋です。毎日王冠で3つ年下のウオッカを破った後、天皇賞(秋)で遂に念願のG1タイトルを手に入れます。8歳馬が平地G1を勝利するのは史上初でした。そして、引退レースとして出走したマイルCSにも勝利し、有終の美を飾りました。

 

4頭目はハットトリックです。今やエフフォーリアやサートゥルナーリアなど多くの活躍馬を出すキャロットファームの所有馬ですが、そのクラブに初の重賞制覇をもたらしたのがこの馬です。4歳になり2つの重賞タイトルを手にした後は大きな着が続きますが、秋になりマイルCSと香港マイルを連勝し、G1ホースの仲間入りをしました。なお、勝利した以外のレースはすべて掲示板を外しており、極端な成績がこの馬の特徴です。

 

5頭目は「女王様」のスイープトウショウです。秋華賞で初G1タイトルを獲得した後、4歳になり牡牝混合路線に参戦します。安田記念では10番人気で2着に入ったにも関わらず、宝塚記念でも11番人気と相変わらずの低評価でしたが、それを嘲笑うかのように勝利します。この宝塚記念の勝利は、牝馬による39年ぶりの史上2頭目の快挙となりました。その後、秋のエリザベス女王杯で3つ目のタイトルを手に入れました。

 

6頭目は船橋所属のアジュディミツオーです。3歳時の東京大賞典では中央の猛者を破り、G1初勝利を飾ります。そのことにより地方所属馬として初めてドバイWCに招待され、6着という結果を残しました。その後は東京大賞典を史上初の連覇、さらに5歳になり川崎記念、かしわ記念、帝王賞とG1タイトルを5つ重ねました。

 

最後に、ランクインはしませんでしたがキングカメハメハを取り上げない訳にはいきません。生涯唯一の敗戦となった京成杯と同じ舞台の皐月賞は避け、NHKマイルCからダービーへのローテーションを選択します。そして、NHKマイルCは5馬身差で圧勝し、ダービーはレースレコードを2秒も更新するタイムで勝利しました。秋は天皇賞(秋)を目指して神戸新聞杯から始動し危なげなく勝利しますが、その後屈腱炎を発症し、引退となってしまいました。G1タイトルは上記の2つのみでしたが、種牡馬として18頭のG1馬を輩出するなどの活躍も評価され、2024年に顕彰馬に選出されました。

 

本日はここまでです。