パリの美しき一夜 | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

7月2日から10日間3か国訪欧して来ました。
あまりにも楽し過ぎたのか、帰るなり熱を出しておまけにお腹も壊し、
やらねばならぬ事が押し寄せているのに身体が動かない状況です。
来週本番なのに歌えるかなあ~不安~('_')


景気づけに見てきたオペラの感想を書いていきますわ♡

最初にパリで「アドリアーナ・ルクブルール」を見ました。


Direttore Daniel Oren
Regista  David McVicar

Adriana Lecouvreur Angela Gheorghiu
Maurizio      Marcelo Álvarez
Michonnet      Alessandro Corbelli
La principessa di Bouillon Luciana D'Intino


これでもかという程のベストメンバーでした!
「アドリアーナ・ルクブルール」は、私としてはやっとアリアは歌える様にはなったけど、まだ二重唱とか歌っていないのが唯一の心残りである大好きなオペラの一つです。
アルバレス目当てで行ったのですが、アルバレスがいいのはもちろん(いやあ、彼の頭の良さにはまさに感服でした)、意外だったのはゲオルギウやディンチーノ、コルベッリも良かった事です。
特にいつも女性陣のテクニックのなさにうんざりさせられているのですが、

ゲオルギウにはテクニック的に文句をつける所が一つもありませんでした。
基本的に彼女はリリコなので声がドラマチックではありません。低音、中音は引っ込んでいて高音になってやっと曲がって飛んでくるのです。
だから上から下までうるさい程(壊れてるほど?)出ている今多い謎ソプラノとは違うのです。
昔はちょっと空けすぎかな?というフォームが多かったのですが、50歳を過ぎて安定したのか、
そういう不可解なフォームは見えなかったと思います。

そして一番驚いたのがディンティーノ・・・
今まで聴いたことがあると思いますが印象はギャアギャアうるさいしかなかった気がします。
それが低音、中音、高音の3つの声区の転換がしっかりあって、その声の気持ちよく美しい事!
やっとちゃんとしたメゾソプラノが出たなって嬉しくなりましたね。

コルベッリも良かったし、いい人というのはみんな美しい声なんです。
美しいというのはまずちゃんとした音程で歌っているかです。
意外ですが聴衆も含め音程がわからない人が多い気がします。
私はいつも「その音違うだろう!」と言いながら聴く事が多いので本当に疲れます。



そういう意味でも久しぶりに気持ちのいい夢の様な一夜を過ごせました。
2人のラブシーンも美しかったし♡♡♡♡♡(*^_^*)

写真はお弟子ちゃんのを勝手に貰っちゃいました~~~