フィレンツェ年終わりコンサート | オペラ歌手くみバードの、ひたすらオペラな人生

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主催している「ありどおろ座」オペラ団の情報や合唱の練習など音楽家としての生活です。

外国に行くと年越しはどこにしようか非常に迷います。
31日はまだいいのだけど、明けて1日は何もやっていない場合が多いから。
名所をただ歩いてればそれも観光だと思いますが、、
もし極寒だったりしたら外に出るのもままなりませんからね。

でもやはり大好きなイタリアで年を越そうという事になり、
どうせいるならコンサートに行っちゃえ、と検索していたら、
フィレンツェでズビン・メータ指揮のコンサートがある事がわかりました。
場所がいつものテアトロコムナーレではないけれど歌もあるらしいし、
翌日バルセロナに行くのに一旦ローマに戻らなくてはなりませんが、
無理して行く事にしました。

今回の旅の目的は昨日書いたカバリエのコンサートと
サレルノの「カヴァレリア・ルスティカーナ」「道化師」です。
特にサレルノは追っかけをしているマルコ・ベルティの出演を楽しみにしていたのですが、
何とキャンセルされてしまいました。
この公演の事はまた後で書こうと思いますが、ちょっとがっかりしていたのでした。

ところが、メータ指揮で若いヴァイオリニストの演奏が終わり、
ソプラノの薄っぺらい演奏の後に、
何と!マルコ・ベルティが出て来たではありませんか?
ちょっとー、何コレ?
私達は思わず興奮してしまいましたよーー目がハート

しょっぱなの「Questa o quella]では最後上に上げなかったし、
「Nessun dorma]ではみんながお決まりの様に長く伸ばす事はしなかったけれど、
その本物の声は流石です。
決して周りに翻弄されない媚びない演奏でした。
連れ合いは「コレこそ≪声》だよ!」と興奮しておりました。

今まで異国で年越しをするのは寒いし何となく寂しくてイヤだったのですが、
こういう素晴らしいコンサートに出会える事もあるなあ、と、
ホンワカ心が温かくなって夜道を歩いてホテルに帰りました。