7分17秒の動画です。動画を使う度に言い訳したりしますが、安易に書きたくないので多用を控えています・・・と言ってもこちらのブログは更新そのものが滞っていますが・・・

BSで1/4にやった「大逆転将棋2009」の番組の中の企画の一つ「1分切れ負けトーナメント」です。毎年「脳内10秒将棋」という、目隠しをして一手10秒以内に指すという神業のような対局をやっていましたが、今年は更に過酷とも言える「1切れ」が・・・!

双方1分の持時間で、切れると負け、です。たったの1分・・・秒読みと違って時間は戻らない。ひたすら減っていくだけという条件で、その1分を使い切ると問答無用に負けです。

ピンとこない人はこないかも知れませんが・・・どんなに優勢で、どんなに素晴らしい手を指していたとしても、時間が無くなれば無情にも負けるのです。

本番組で準決勝の2局はいずれも時間切れによる決着となりました。決勝では阿久津六段がキチンと詰まして決着をつけてくれて、企画としては成功して良かったと思います。しかも終局後に感想戦までやってくれました。

感想戦というのは今指した将棋を初手から再現して色々感想や反省を述べたりするものですが、この超早指しの将棋でもそれをやってくれたのはプロとしての技術を見せ付けてくれて見る人を感心させた事でしょう。しかも「ここで夏川さんのプレゼントが目に浮かんだ・・・」などと笑わせてくれたりで非常に良かったです。


超早指しに不慣れなプロの方々でしたが、それなりに良い物を見せてくれました。「プロは凄い!」その印象を与えた事は大きいと思います。・・・話はややアンダーグラウンドの方向へ行きます・・・

こういった超がつく程の時間の短い将棋というのは、プロよりもむしろアマチュアの土俵とも言えます。プロには自分で対局時計のボタンを押すという習慣すらついていない人達もいるでしょう。

実際、某アマチュア強豪は「1秒に3手指せました」とか「1切れはまともな将棋です」「1切れで25手詰の頓死を喰らいました・・・」など非常に高度な話をしていました。「デジタルの時計では無理ですが、アナログの時計なら時間を減らさずに指し続ける事も可能です」などと道具の違いや使いこなす、細かい戦術や技術が存在します。

あの番組で見せた将棋は、一応の形を作っているようではあっても、見る人が見れば恥ずかしい内容の一面もありました。駒が乱れている、時計の押し方が未熟である、短い手数で時間が切れている・・・

プロは格調が高く、高度な内容やより真実に近付くための将棋が要求されますが、アマはアマで違った厳しさがあります。鍛え抜かれたセミプロ級のアマはプロとはまた違った技術や常識を持っています。例えば、左右どちらの手でも同じように駒を持って将棋を指せるという技術を持った人がいます(それが出来るように訓練している訳です)。その技術が要求される場面では必要な技術なのです。プロの世界のシステムでは有り得ない話ですが・・・全く違った土俵が存在するのです。

真の1切れ最強を決めるのであれば、アマチュアを登場させるべきだと思います・・・しかしそんなものは大した意味を持ちません。

番組を見た人なら分かると思いますが、このトーナメントへの出場資格は『イケメン』でした。何はともあれエンターテイメント性が大事なのです。番組を明るく盛り上げる、憧れを感じさせる。真実ではなく幻想を見せる事も大事なのだと思います。・・・とにかく「あなたの知らない世界」は色々存在するのです。