フラバー(FLUBBER) | 映画でペップトークとアファメーション(Pep Talk & Affirmation)

映画でペップトークとアファメーション(Pep Talk & Affirmation)

ペップトーク(Pep Talk)とは人を元気にする短いスピーチで、コーチングの最後のスキルとも言われているそうです。映画に出てくるペップトークを通して、みなさんにもペップトークを知っていただければ幸いです。

この映画は、子どもがまだ幼稚園か小学生(今は大学生)くらいだったころによく見ました。


(子どもたちが、お尻からフラバーが飛び出すシーンが大好きだったので、よく覚えています。)


このブログを書き始めてからスポーツ映画を検索するのが日課のようになっているのですが、「バスケットボール」「映画」で検索していたときに


この「フラバー(1997制作)」がリメイクであること


「フラバー うっかり博士の大発明(The Absent Minded Professor)」が原作で、これも1960年のウォルト・ディズニー作品であること


そういえば、バスケットの試合のシーンでフラバーを悪用していたな・・・とかって思い出したり、原作はさすがに中古VHS市場でもみつからなかったのですが


で・・・つい最近、原作がDVD化されているのを発見。


すぐに借りようとしたのですが、貸し出し中で入手できず・・・とりあえず、こっちを先に紹介することにしました。


フラバー [DVD]/ロビン・ウィリアムズ,マルシア・ゲイ・ハーデン,クリストファー・マクドナルド

ウォルト・ディズニー



ペップトーク度(最高★×5):★★★★☆
映画オススメ度(最高★×5):★★★★☆


【ストーリーと背景】

フィリップ博士は天才科学者で大学教授なのだが、私生活では欠陥だらけ。
博士は恋人との結婚式を2度すっぽかしている。

その恋人とは彼が働く大学の学長をしているサラ。

大学は負債がかさみ、閉鎖がせまられている。

そんな中、サラとの3度目の結婚式の当日、博士は実験中に不思議なエネルギーを持つ物質「フラバー」を開発・・・これで大学が救える

と思ったのだが、結婚式をすっぽかしてしまったことに気付き・・・

【ペップトークの見所】

目覚ましとともに、自動で朝食を作る仕掛けや、空飛ぶ秘書ロボットのウィーボがとっても可愛くて、子どもたちと何度も見たのを思い出しました。

で、この映画では最悪のペップトークが出てきます(笑)。
ペップトークを学ぶうえでは貴重な資料です。

試合前には言ってはいけないこと、言ってはいけないフレーズのオンパレード!

ってことは・・・
このシナリオを書いた人は、絶対にペップトークの本質を理解しているのだという証明でもあると思うのです。

Chapter:10 0:48’18”~

ラトランド大学対メドフィールド大学の因縁の対決
(といってもメドフィールドがそう思っているだけで、メドフィールドが圧倒的に弱い)

試合前のロッカールームでのペップトークです。

【吹替版】

さあて、スクワレルス(メドフィールドのチーム名)話を聞いてくれ
確かにラトランドは 我々より 高さとリーチがあり
体重とパワー 敏捷さとスピードが勝り
そして攻撃力ははるかに優れている
さらに守備も完璧
もちろんむこうには 良いコーチがいて
トレーニングも万全
そのうえ 勝利に対する意欲も 彼らにかなうチームは無い
何と言っても彼らは 108試合連続負けなしの強豪チームだ
でも もしかしたら 我々がマグレで勝てるかもしれない


【字幕版】

メドフィールドの諸君 よく聞くんだ
相手が我々より勝るものは 身長 リーチ 体重 パワー
敏捷さ スピード 才能
彼らは攻めがうまく 守りもうまい
彼らは練習に余念がなく 技術を磨き
勝利への執念は 学生スポーツの域を超えている
彼らは108戦無敗の記録を更新中である
だが我々が負けるとは限らん・・・だろ?


ペップトークのメカニズムは、ざっくり説明すると

1.事例を用いてネガティブなイメージを払拭し、ポジティブなイメージを持たせる
2.事例を元にモチベーションを高める
3.モチベーションを高めたら勝利(成功)の確信を与える
4.起動の導火線に着火する(やる気に火をつける)

ということなのですが・・・

このフラバーのネガティプ・ペップトーク(岩崎由純先生はこれを「プッペ・トーク」・・・つまりペップの逆・・・と呼んでいます)は、この要素を全く逆に活用したシナリオになっていますよね。

ってことは、ちゃんとペップトークを学んだ人が書いた・・ってことだと思うのです。

やっぱりディズニーは侮れないというか・・・アメリカ映画界の奥の深さを感じたのでありました。




* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *