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片目でも人生はミュージカル

網膜芽細胞腫のお子さんを持つママさんとパパさんへ。
同じ病気で片目がない私の体験を綴ります。

片目歴20年以上の私ですが、今でも気にしていることがあります。

それは、他人から見て片目が変に見えていないか、

写真やプリクラで変に写っていないかです。


どうしても気になり、

中学生の頃から義眼を隠すように片側だけ長い前髪があります。




はい、まさしく鬼太郎ヘアー(^ω^)


目玉おやじが居てくれたら完璧だったのに…。




ご飯を食べるときは、邪魔でも前髪を耳にかけなかったりします。


授業のときは見る人がそんなに居ないので大丈夫なのですが、

ご飯のときは相手が向かいに座っているので苦手です。




そんな私ですが、最近は長い前髪を耳にかけるようになりました。

現在お付き合いしている方が、こっちの方が可愛いからと髪を耳にかけてくれるからです。

そして、また髪を耳にかけてもらいたくて前髪を降ろす(ごめんなさい)。


お世辞でも、嘘でも良いのです。

可愛いと言ってもらえると、とっても嬉しいんですよね。


彼のお蔭で、前髪をあげた自分に少しずつ自信を持てるようになりました。



可愛いと言ってもらえると自信がつき、

自信がつくと、もっと可愛くなろうと思うのです。


義眼のお子さんをもつママさんパパさん、いつまでもお子さんを褒めてあげて下さい。

美形に育ちますよ(笑)




眼の検査は幼いころから全部嫌いで面倒でしたが、私のなかで一番面倒なのが診察前の目薬です。

成人し、検査が年に1回だけの今でも「またこれか」と思います。



この目薬、まず瞳孔が開くまでに15分ごとに3~4回ほどやらなければなりません。

20歳超えた大人が看護師さんに点眼してもらうために、多くの子供と一緒に列に並びます。



なかなかシュールです、はい(゚∀゚*)



列に並びながら待っているときは、一緒に並んでいる子供を眺めたりします。

お母さん無しで一人で並んで偉いな、とぼんやり思いながら。


点眼の部屋では小さな子供がママさんに抱っこされながら号泣。

そりゃあ、泣くよね。

だって、先が細いものが目の前にきて、そのうえ水が出てくるんだもん。

怖いよね。

水の中で目を開けるようなものだよね。

私もよく泣いたなぁ。


目薬される子供も大変。

その子をあやすママさんも大変。

点眼しても目薬が眼に入らないこともあるから看護師さんも大変。

みんな大変です。


点眼が終わると、15分待ち。

これを繰り返します。




面倒臭いのはここからです。

なにが面倒かって、この目薬は瞳孔を開かせるもの。

瞳孔がしばらく開いたままになるので、


・光の調節ができないから周りが眩しい

・ピントが絞れないので近くのものがはっきり見えない

・その上、私は視力が悪いので遠くのものが見えない


=暇つぶしに持ってきた本が無力


やることが、「病院が間接照明だからありがたい」と思うことぐらいしかない。

小さな文字が見えないので、一応持ってきた音楽プレーヤーもどうでもいいのです。




診察が終わると、瞳孔が開いたまま帰宅となります。

空や白いものや車体が眩しいので、できるだけ瞼を閉じていたい私は母の誘導でふらふら帰宅。


毎回サングラスを持っていくのを忘れる私でした(←

親の皆さんが気になることかなと思い、今回はいじめに関する記事です。

しかし、私にあったのは片目に関する「いじめ」と言うより、片目に関する「騒ぎ」でした。

なんだかお役に立てなくて申し訳ないです。


順を追ってお話しましょう。

小学校のころの話で、記憶が曖昧なので箇条書き。




1.目が取れる女の子が居ると小学校で噂になる


2.下校途中で男の子たちに囲まれて、「片目外して見せろよー」と言われる


3.私、義眼を外す


4.男の子たちに義眼を突きつけ、そのまま追いかける




5.ちなみに私は超笑顔(゚∀゚*)




6.思ったより怖かったのか、何人かの男の子が号泣


7.担任が現場に急行


8.私、担任に怒られる


9.私、母にも怒られる




私が被害者なのに≧(´▽`)≦




……という騒ぎでした。

それからというもの担任が何かしてくれたのか、それとも男の子たちは怖くなってしまったのか、

片目を外せとは言われなくなりました。


傷ついていない上に、逆に男の子を泣かせてしまったので虐めではなかったように思います(笑)


この騒ぎ以外には、私には何もありませんでした。

中学、高校、大学と眼のことで特にいじめられたこともなく、平和だったのです。




小学校での騒ぎも今では良い思い出です。

義眼歴20年以上の私ですが、



今まで義眼だとバレたことは一度もない( ´艸`)ウヘヘ


私の自慢です。

だって、義眼の先生が素敵な片目を作ってくれた証拠だから。



友達でも、先輩でも、先生でも、バイト仲間でも「義眼でしょ?」って言ってきた人はゼロ。

もしかしたら分かってて言わなかった人も居るかもしれませんが、それはそれで良いのです。




義眼だと分かる人は居ない。

その代り、


「眼が違う方を向いちゃう人なの?」

「私のこと見てるー?o(;△;)o」


っていうことを言われます。

「私のこと見てる?」と言われたのは過去一度だけで、殆ど眼の向く方について聞かれますね。


義眼のことを特に気にしていない私は、ここで自分の眼について説明。

皆さん、「へー」とか「ふーん」とか言いながら両目を見比べています。

ちなみに「えー、分かんなかった!」と返されるのが一番うれしい(←




あとは、スキーで曇ったゴーグルを片目分だけ拭いた時に

「なんでそこだけなの?」と言われたこともあります。

義眼のことを説明すると、「片目でスキーしてるとかスゴイ!」って言われて嬉しかったことがあります(←




義眼だと分からないくらいの眼を作ってくださっている先生に感謝です(*^o^*)

義眼を作っている先生方、いつも素敵な片目をありがとうございます!

皆さん、本日はメリットについてです。

私が一番「これは…!」と思ったもの、それは…




コンタクトレンズが半額!(・∀・)デスヨネー


今のところこれが、自分が片目で一番嬉しかったこと(ぉぃ




プールでよく泳ぐ私は、ゴーグルに塗る曇り止めも片方だけなので楽で安上がり。

スキーのゴーグルも同様。

寝るときは、見える方の眼を隠すだけで安眠(小さすぎる幸せwww




コンタクトレンズが半額なら眼鏡も半額なのかといえば、それは人それぞれ、店それぞれです。

眼鏡屋さんに行けば、義眼の方のレンズをガラスに替えてくれるお店もあります。

私もひとつ持っています。片方がガラスの眼鏡。


しかし、ある眼鏡屋さんから



「片方がガラスだと、相手側から見たときに眼の大きさが違うように見える」



というアドバイスを貰ってから、両方のレンズに度が入っている眼鏡を使っています。

見た目って大事よね。




まぁ、眼鏡やコンタクトが要らないほど片目の視力が良いのが一番。

これから大きく成長する子供たちには、残った眼を大事にしてほしいです。

片目の私にはよく分からないものがあります。


その一つが3D。

眼鏡をかけて特殊な映像を見ると、ものが立体的に見えるアレです。

赤と青のセロファンがついた眼鏡を思い出す人も居るんじゃないでしょうか。



片目の私は、3Dの「飛び出す」や「立体に見える」というものがよく分かりません。

3Dの映画を見ても、


「なんか映像の勢いが良い上に効果音に力入ってるから、多分ここが3Dなんだな」


くらいで、普通の映像となんら変わりがありません。

あ、ビックリすることは勿論あります(笑)


調べてみると分かりやすい解説が書いてあるので、興味のある人はググってみて下さい。

3Dは両目を使って見るものだそうです。





先日、友人とディズニーランドへ行ってフィルハーマジックを観賞してきました。

みなさんご存じの、オペラグラスを掛けて飛び出す映像を体験するアトラクションです。


アリエルが宝石を放るシーンで、観賞している子供たちが嬉しそうに手を伸ばしていると少し羨ましく思うことがあります。

どんな風に見えるのか、経験してみたいとしんみり思うこともあります。




でも、まぁ、3Dでも


いいもの見ると感動するんだけどね(´∀`)


私はアリエルが歌い始めるシーンから涙が止まらなくなる(←




飛び出して立体的に見えた方がきっともっと楽しいでしょう。

でも、片目は片目なりに楽しんでおります。


3Dの映画とか誘わない方がいいの?と聞かれることがありますが、

一緒にその映画を見る人が楽しいなら私は喜んでついて行きます。


私に気を使って3D映画を見るのをやめる方が悲しいです。

楽しい機会を奪ってしまったように感じるからかなぁ。

私が右目を摘出したのは1歳6ヶ月の頃のため、成長した私にとって眼が一つということは当たり前のことでした。


ぬいぐるみで「お母さんごっこ」をして遊んでいたときは、「ぺんちゃん、おめめ洗いましょうねー」なんて言っていたのを覚えています(笑)

ぬいぐるみも、自分と同じように片目が義眼だと思っていたのかもしれません。




怪我で眼帯をすることになった友人に「片目になったとき大変だったでしょ。だって視界が半分じゃん」と言われましたが、


そもそも両目で見えていた時の記憶がない(・ω・*)テヘッ


気が付いたときにはもう片目。

自分にとってそれが当たり前。


みんなと同じように真っ直ぐ歩ける、走れる、スポーツできる。

子供の適応力は凄いのです。


だから、中学生のとき




「片目がないの、可哀そう」




って、凄く悲しそうな顔で言われたことが辛かった。


自分にとって片目は当たり前で、

みんなと同じように生きていけるのに

可哀そうってなんだろう。


きっと私が相手側の立場だったら同じような言葉をかけていたかもしれない。

でも、言われた私は胸の中がごちゃごちゃモヤモヤしました。




我がままと思われるかもしれませんが、「大変だったね」も微妙。


大変だったのは自分ではなく両親だったからです。

自分は幼くてその時の記憶がなかったから、大変で痛い思いもあまり覚えていないし。




ということで、考えた結果。



「え、マジで?お前、片目で生きてんの凄ぇじゃん!」という反応が私的に一番イイ!(・∀・)



片目の人に会って、片目の会話が避けられないときに使ってみてね!

まぁ、これは私の場合なので、真顔の「そうなのかー」で片目の会話を終わらせるのが一番無難かもしれませんが。

網膜芽細胞腫にかかったとき、私は1歳と6か月くらいだったと聞いています。


両目に転移が見つかって早急に手術をしたところ、私から見て左目は助かったが右目は摘出。

右目に義眼をはめることになりました。



正直、その頃のことはあまり覚えていないです、ええ(´・ω・`)


だって1歳だしなぁ。




覚えていることと言えば、


入院中に母がノンタンの絵本をたくさん読んでくれたこと。

病室に祖母が入れなくて泣いたこと。

病院の部屋の窓からシャボン玉をしていたら、吹くストローを落としたこと。


そのくらい。



点滴を勝手に引っこ抜くから大変だったと母は言いますが、覚えてないです(ごめんなさい




幼かったので、正直ほとんど覚えていません。


でも、父がたくさん病院を探してくれたこと。

母が片道2時間半もかけて私を病院につれていってくれたこと。


周りの人からたくさん話を聞いています。


その話はちゃんと覚えています。

私が1歳6ヶ月のときに網膜芽細胞腫で片目を失ってから、もう20年ちょっとが経ちました。

両親や周りの人にたくさん心配をかけましたが、今月でめでたく大学を卒業です。



片目はなかったけれど、いろんなことをしました。


友達とたくさん遊んで、

スポーツして怪我して、

忘れてたけど虐めもあって、

自信がなかったけれど恋をして、

就活は…あら、やだ。終わってないわー(ぉぃ



そんな片目の私のことをここで書いていきたいと思います。

同じ病気のお子さんを持つパパさんやママさんへ向けて。


お医者さんではないので医療のことは書けませんが、

片目のない子供なりになにを考えていたかは書けると思います。


これを読んだパパさんやママさんの役に少しでも立てれば幸いです。