昨日の泥


鉛筆が全部折られて並んでる私の机 一番後ろ


彼岸花の奥ゆかしげな朱の色が煙草の熱に黒く焦げてく

上履きに詰まった砂を見る私 私を見ている八つの目玉


七組の満場一致の無視無視無視干からびていく私のからだ

屋上に靴を揃えて立っている 靴には昨日の泥がついてる

中学は廃校とする。今日からは私が私の先生である。

タンポポの花が頭にポフと咲くポフポフポフと春が生まれる

ともだちはどんなもんかはしらなくてトンビのようなこどもであった



 実は上記、心の花の投稿8首、7首掲載の特選をいただきました。本当にうれしい。4月にどうしても特選に入れてほしくて投稿したら、谷岡亜紀さんが見事に選んで下さった。ありがとうございます。実は初の特選でした。

 そしてこの8首連作、昨日のブログ「西瓜第10号の5首」と合わせた長い連作をばらしたものでした。オリジナルはこちらになります。読んでいただけるとうれしいです。必要な人に届きますように。

  校庭

  屋上に靴を揃えて立ってみる 靴は昨日の泥がついてる

  台風が近づく空は鈍色と水色混ぜた真空の管 


  悲しみが満ちている朝(ああそうか)今日から九月学校行かな

  上履きに詰まった砂を見る私私を見つめる八つの目玉

  鉛筆が全部折られて並んでる私の机 一番後ろ

  彼岸花の奥ゆかしげな朱の色が煙草の熱に黒く焦げてく

  
  七組の満場一致の無視のなか干からびていく私のからだ

  中学は廃校とする。今日からは私が私の先生である。

  ともだちはどんなもんかはしらなくてトンビのようなこどもであった

  タンポポの花が川辺にポフと咲くポフポフポフと春が生まれる

  
  星たちがどんなに見えない闇夜でも明けない闇を星は知らない

  自転車が壊されていた夕暮れも歩いていこう歩いていこう

  登校をやめて失くしたものはなく今ここにある命を得たり

  校庭のはるか彼方の青空に輪を描いている一羽のトンビ


じゃあまたね👋
今、ここが天国。