春の短歌日記を集めた8首連作。咲きすぎる桜があまり好きじゃなくて、散ったあとから気持ちが落ちつくのは毎度のこと。死を詠うことが生きのびる力に変わることもがある。
私の歌は暗い・重いと世間で言われてるみたいだけど、そうでしか表現できない人もいる。綿菓子はサトウキビの死の味で、かつての強制労働の味。人は殺しながら生かされている。
綿菓子
踏み入ればかつては花と呼ばれてた欠片が覆う冷えた路面を
何度となく買い換えてきた今までの傘の模様をどれも覚えず
夜の月、真昼の月、胸中の月 誰へ向くのかその風見鶏 *
風船のなかの綿菓子 呼びつづく熱の記憶を小さく殺す *
花柄を全身に着た0歳に叩かれ噛まれそれを抱き上ぐ
棚奥のフランス人形もう誰もさわらないならばらしてしまえ
シャバーサナ亡骸となりシャバーサナ身体の奥の宇宙に浮かぶ *
綿菓子を少しつまんで食べたなら甘く切ない死の味がする
*結社誌非掲載
じゃあまたね👋
今、ここが天国。
