コスモスのスースー


保育室よいせと座ればたちまちに手足背首に園児が実る

降りつづくの紅葉の飾るお砂場の園児五人の手作り火山

五分前殴りあってた子供らが寝そべっているジャガ芋みたい

こそこそと伸びた小っちゃな指先で三歳くんは乳首をつまむ

おっぱいをぷにりとつまみハッと引き二の腕をもむ三歳のきみ

コスモスのスースーそよぐ草原を眺めるような二歳の昼寝

一歳の小さきおしりを拭うときドングリのごとコロコロ笑う

痣のある痩せた二歳を抱いた日はいつもより強く我が子を抱いた

園児らのサンドバッグになった尻ででんと休ませ髪をほどく

この上にどんな幸があるだろう我が子を抱いて園児を抱いて

ポコポコと二歳の娘の肩たたき「かあしゃんおかかをかかかあしょお」





 心の花8月号掲載の5首を含むもともとの8首連作に、8月号のメール題詠に載ったラストの1首、歌会だよりに掲載の1首、以前読売新聞の大手小町に載った1首、ぜーんぶ合わせて11首の、保育士時代の幸せでちょっと切ない連作です。(一部、連作用に言葉を変えてます。)

 痣のあった痩せた二歳は、最近すっかりたくましくなって、うちの近所を弟と駆け回っていました。もう、3年生ぐらい。泣きそうだったよ。彼女は私のことを忘れているけど。

 園児さんって、やっぱりふわふわしたお肉が好き。本命のおっぱいに辿り着けなくても、二の腕、腹肉、お尻、太もも、ぷにぷに触るんだよね。うちの子はずっと家にいたからそんなのなくて、ずっとおっぱいにぶら下がってたから、保育士時代、園児のぷにぷに行動はすごく切なかったわぁ。ママよりダブついてて、ごめんねーって。

コスモススースー、おやすみなさい。

ではまたね👋
今、ここが天国。