13才くらいの時期って、闇落ちしない?うんうん、するよねー。(勝手に同意させてるよ…)ま、世間に中2病とかいう言葉もあるぐらいだから、ダークな気持ちになりやすい時期なんだとは思う。


 成長ホルモンのせいか学校のいじめで心が悲鳴をあげるのかは知らん。でも、私も中学って記憶している中では人生で一番暗い時期だったし、死にたくなったこともあった。あった。うんうん。





 学校、家庭内暴力、失恋、外見の醜さ、などなどずっと悩んで生きてた時期、小倉(北九州)のデパート井筒屋の屋上からうっとりと眼下の地面を眺めたり(ヒエー)、風呂場の貝印をひんやり当ててみたり、してた時期があった。


・十代は糸を紡いで血を流し四十に入りて絹をまといぬ


 ところが、決してそれを許してくれない、黒い人がある夜ドスンと胸に乗ってきた。(妄想やで、と思っても、結構です…)


 学校から帰宅しても黒い服を着て、暗い表情で生きてた中学生の頃。そして、あれは何時ごろだったかな、えっと、両親が仕事から帰ってきた夜中の1時とか2時頃のこと。隣の部屋で父母が話している声が聞こえた(平和な会話だった)。


 いつそれが怒鳴り声に変わらないか、心配しながら布団を被ってたことが日常だったから、その日も布団を顔半分ぐらい引き上げて、意識も半分ぐらいぼんやり起きてたのね。そしたら来た。ドスンと胸の上に重い人が、ほぼ、座った形で乗って来た。


 でね、いきなり私の首を大きな手で押さえ込むの。ぐぐっと、どこまでも押さえつける。隣の部屋ではまだ父母が平和な会話をしている。私は指でシーツをガサゴソ握ろうとするんだけど圧倒的な力で動けない。って言うか、この人、誰? 父母に、見えてない?だってドア開いてて、2メートルぐらい先に二人はいるんだよ。


 そしてその人は言った。とっても低い声で、脳内に響き渡る声で。

「ほーんーとーにー、死ーにたーーいーかーー?」


 首を押さえる手がどんどん重くなって私はあぐあぐこのままじゃ死ぬな、と思った。でもしゃべれない。本当にすごく苦しかったのね。首の厚さが半分になったような気分。だから心の中で「い…や…です」と答えたのよ。


 そしたらその瞬間、手がフワッと消えてかわりに大きな巨人の両腕に抱き抱えられたかんじがして、一回浮いたかと思うと、まるで10枚重ねの羽毛布団上に下ろされるように、ふーんわりと身体が布団に着地して、はっと目が開いたのでした。隣の部屋で、ずっと父母の平和な会話が続いていた間の出来事でした。


 そのあとしばらくボーッとしてから、父母の横を通り、起きてトイレに行って普通に寝ました。


 あれは何だったんだろう。そして、誰だったんだろう?よく分からないままね。幽霊、妖怪? ただ、あの日から私はどんなに辛いことがあっても、死ぬことは考えなくなりました。それぐらい、痛く苦しい経験でした。


 自殺する人って、実行前にこの死の直前の苦しさと恐怖を体験させてもらうことは普通、ないよね。死ねるか、死ねないか、どちらかだと思う。だけど私が遭遇したあの黒い人はその極限の苦しさを教えてくれたんだと、今は思うの。もしあれが私の単なる妄想じゃなかったら…あの黒い人は、実はすごい愛情で私を救ってくれたのだと思う。


 あの低ーい怖ーい声は今もしっかり耳に残っていて時々ブルーの極みに落ちたとしても、私が線路を見たり、刃物に触れたりは、怖くて二度としなくなしました。だから、やっぱり愛だったと思う。ありがとう、黒い人。


「ほーんーとーにー、死ーにたーーいーかーー?」


じゃあまたね👋

今、ここが天国。