月はなんだか怖いんです。


 夜の犬散歩しようと外に出たらででーんと目玉のようにそこにあって、全然逃げていってくれない。後ろから見張られている感じがしたり、前から吸い込まれそうな感じがしたり。


 案外安定した心の時には、ああ綺麗だな、と思うのだけど、あまり長いこと見ていると、子どもの頃締め出されていたベランダがよみがえって、足先に触れてたサバの空き缶のベッタリな臭いとか、排水口に絡んだ緑のもやもやがさっきのように思い出されてしまう。


 そうなるともう別の人の頭を乗せて歩いてるみたいになっちゃって、おかしくなっちゃう。


 困ったことです。綺麗だと思ったときに詠んだ歌よりも、そうじゃないときの歌が、たくさん悲しく手元に残っています。早く半月にならないかなー。



・望月は満月のこと満月は望月のことまるで阿修羅だ


(阿修羅だ!)



じゃあまたね👋

今、ここは天国。