今日はジャイアンツが3連覇(CS除く)を成し遂げた。近代野球で連覇は難しいとされてきたが、昨年今年と原ジャイアンツがブッ千切りの優勝だった。やはり人気最右翼のジャイアンツが強いと、野球界も盛り上がりを見せるね。という私は典型的アンチ・ジャイアンツのタイガース・ファンだ。生まれは京都の片田舎といえど関西なのでタイガース命かと思えば、周りのほとんどはジャイアンツ・ファン。昭和40年代まだ熱狂的タイガース・ファンは甲子園を中心とした半径50キロに生息しているものと思っていた。私の田舎で野球中継はというと、読売テレビ(関西の日テレ系列)でジャイアンツ戦がほとんど。しかも血を分け合った親父に二人の兄貴までもがジャイアンツ・ファン。となればひねくれ者の私は当然(実際には気がつけば)タイガース命となっていた。今でも強き者はあまり好きではない。高校野球なら初出場高の応援。ボクシングなら挑戦者。ただ例外としてサッカーだけは強いチームを応援したい。何故かというと、サッカーの試合だけは弱いチームを観ているとフラストレーションが溜まって身体に悪いからだ。実際、名古屋グランパスの酷い試合では、終始持参のipodを良薬代わりに耳にしていた。
さて身体にとてもいい、良薬となる音楽がある。最近ではみんな意外と知っていると思われる「The Water Is Wide」というイギリスのトラッドで、アイルランド民謡かスコットランド民謡かは未だハッキリしていないという。少し前に三井のリハウスのCMでも使われたらしい。その歌詞の内容は哀しい恋の歌なのだが、冒頭の ♪海はあまりにも広くて超えられない・・・まあタイトル通りなのだが、いやはやこの曲は大西洋を渡り、ボブ・ディランを始めアメリカでフォーク・ソングとして広く歌われてきた。私が推す今年一番のお宝曲として聴いて欲しいのが、テリエ・ゲヴェルトというノルウェーの若きベーシストの『Duality』。その中に「The Water Is Wide」がある。
テリエ・ゲヴェルトはマイ・フェイバリット・ジャズ・ベーシスト三人衆のひとりで、もう一人は以前にお教えしたアビシャイ・コーエン、残すお一方はいずれということでお許しを。さて全10曲すべてにいいわけだが、とりわけ「The Water・・・」が飛びぬけていい。ピアニストのクリスチャン・ヤコブとのデュオ作品で、前面に押し出ているのはやはりピアノだが抑制のとれたタッチがさらにこの曲に磨きをかける。そうこうしていると何時しか何食わぬ顔でベースが主導権を握っているではないか。やがて二人の演奏は溶け合って真空状態になり、大海原を力強く渡って行くそんな風景がそこに在る。
音楽とて“毒にもならず 薬にもならない”ことも往々にあるが、こういった曲を知ってしまえば時として“毒となり 良薬となりけり”だから止められないのがジャズとタイガースなのです。
-NO.535-
【春風萬里荘】
芸術の町笠間はとても落ち着き払っている。多くの芸術家たちが居座っているのもそうなのだからであろう。町から少しほど離れたところに“春風萬里荘”があり、陶芸にも長けた北大路魯山人が晩年に住んでいたのがここ(鎌倉より移築)。木レンガを敷いた洋間もこころくすぐられるに違いない。また門をくぐったすぐの脇にある茶室“夢想庵”は、魯山人自身が設計したものらしく、また京都の古寺を思わせる石庭(写真)も京都のお人らしいではないか。