古き良き時代、ジャズ・ビッグ・バンドで活躍した花形といえば専属女性歌手ではないでしょうか。1930、40年代にデビューした歌手のほとんどがビッグ・バンドの専属歌手志望で、後のジャズ・ヴォーカル一時代を築くこととなったのも彼女たちだ。そのなかでも一際輝きを放っていたと信じて止まないのがヘレン・ウォード嬢である。何せ音源が少ないのも魅力を増しているのでしょうね。キャリアのスタートはベニー・グッドマン楽団での1934~36年の3年間。美貌美姿、美声美息、美香美艶と褒めちぎってみたものの俺のものになるわけでもなく、ただひたすらアレコレと懇願するばかりのみ。
さて本盤はピーナッツ・ハッコー楽団でのリラックスしたウォードが聴け、ファン垂涎の一枚『With a Little Bit of Swing』。しかも今回のヴォーカル廉価盤シリーズはたいていの男が泣いて喜ぶ品揃え。しかも1枚1、000円とくれば買わないではおられないでしょう。
このアルバムは全12曲、うち7曲で麗しき彼女のヴォーカルが聴け、ハッコー楽団による5曲のインスト・ナンバーもスインギーでダンサンブルな仕上がりとなっている。そのインスト曲「With a Little Bit of Luck」で幕を開け、耳慣れた心地良いアンサンブルがとても愉しい。そして2曲目「Lazy」で心奪われてしまう。ふくよかなウォードの声が最高にシンプルでいい。そしてジャケットにも目をやってほしい。これを眺めているだけでウキウキ、40年代のダンスホールが目に浮かんでくる。もっと目を凝らしてよ~く見ると、満面の笑みを浮かべている女性の首元、そのネックレスがふわりと踊っている。そんな描写がよく合うサウンドなんです。
最後に残念なお話を一つ。8曲目の「鈴懸の径」に目がない私は愕然とするわけで・・・何てことだ、彼女はここで歌っていないのです。ここではハッコーのクラリネットも哀しげに映るのです。しかし名曲名演とはこのこと、彼女なしでもこの曲がベスト。
-NO.462-
★トヨタ博物館★
何度訪れても楽しい。とにかく行って欲しい!世界の、そして日本の懐かしい車達がたくさん迎えてくれる。
私のお気に入りの場所はいつも決まっていて、ちょくちょく特別展も開催するので年間パスポートも一考だ。館内のショップにはヴィンテージ物もあってそれだけでも価値がある。手ぶらで帰ることなどまずないねぇ。
