夫の葬儀の前に葬儀屋さんから渡された「永久保存箱」と書かれた黒いケース。
斎場の案内、葬儀までの流れ、決めなくてはならないことなどが書かれた書類を入れて、お通夜の前からあった黒い箱。
打ち合わせ資料だけでなく、死亡証明書や火葬証明書も追加され、葬儀後に私と一緒に帰宅しました。
受け取った時には、近くにいた夫の体がなくなってしまい、茫然自失の私とともに。
その日置いたキッチンカウンターが、そのまま定位置となり、ずっと同じ場所に置いたままとなりました。
お寺関係、夫の会社手続き、相続関連…いろんな書類は全部、その箱に入れていきました。
途中から葬儀のアルバムが上に載せられても動くことなく。
三回忌を終え、その箱の中身はしばらく使わないだろうと思いました。
でも、移動されるなら雑然と箱のなかに入れてある書類を整頓しなくては…
そう思うとやる気がでませんでした。
夫とのお別れ以降の、見たくない書類しか入ってない…。
ようやく、意を決して仕分けをしました。
何も考えず、無になることを意識したのに、やっぱり平気ではなかったです。
ざっくりだけど、不要と思われるものをゴミ箱に入れ終えました。
軽くなった箱とアルバムは、クローゼットに収めて完了です。
何かグッタリですが、やり切った感はあります。
大袈裟なようだけど、2年2ヶ月かかった大移動です。
箱1つ動かすことに、心のなかは大騒ぎでした。
まだ夫の物を整頓する気持ちになれず、全部ここに居た頃のまま暮らしています。
入院中の書類もさわれずに、当時本人が使ってたトートバッグに入ったままです。
そんなつらい記録なんて処分してしまえばいいって思う反面、
病気と闘った時間すら大切に思う気持ちも捨てきれずです。
いつか処分したいと思うけれど、今はまだ難しいです。
読んででくださり、ありがとうございました