今回取り上げるのは、ぺんぺんの大好きなイギリス機です。
エアフィックスの、フォーランド ナット トレーナーの1/72のキットです。

【実機の紹介】
ナットは元々は小型軽量で安価な戦闘機として開発されました。初飛行は1955年で、良好な運動性を示したのですが、あまりに小型軽量過ぎたため武装をした時の運用が問題視され、結局イギリス空軍では採用されませんでした。しかし、複座の練習機型が採用され、62年から部隊に配備されました。特に曲技飛行隊のレッドアローズの装備機として10年以上活躍したので、オールドファンには懐かしい機体です。
愛称ナット(Gnat)は、野山での厄介者の虫であるブヨの意味です。

【キットの紹介】
ナットの初代キットで、60年代半ばに発売されました。まともなナットのキットとしては初めてのもので、当初からレッドアローズ仕様で販売されていました。そのため、当初パーツは赤一色で成型されていました。
70年代にマッチボックスからもキットが発売されましたが、やや品薄だったこともあって、依然ナットの代表的なキットとして存在していました。
しかし、2000年代後半になって、突如エ社から新金型で2代目キットが発売されたため、この初代キットもお役御免になってしまいました。
紹介するのは2000年の直前に販売されていたものです。

箱の中身です。元々は、シュリンクパックや小型の箱で販売されていたので、この大きさの箱では容量の余裕がありそうです。

なんだか寂しいくらいのパーツ構成です。キットの表面は凸モールドです。

胴体と主翼です。機体の大きさは、ゼロ戦と大差ないくらいです。このコンパクトな機体でジェットエンジンをつけて1000km/h以上を出すのですから、パイロットは結構怖かったのではないでしょうか。 そう言えば、機体がコンパクト過ぎて、体の大柄な練習生は乗れなかったそうです 。

細かいパーツは最低限付いている感じです。機体の小柄さに比例して一つ一つのパーツも小さいので、パーツの取り扱いには要注意です。

以前はマークは1種類だけだったのですが、このキットでは全ての所属機が組み立てられるよう機番が揃っていました。

パーツ数は少ないので組み立てが複雑な個所はありません。ただし、胴体と主翼の合わせ目に隙間ができる他、脚などの細かい部品が正しい角度でピタリと決まってくれないので、調整に手間取ります。脚カバーの取り付け位置も、説明図だけでは不明瞭です。
古いキットのせいもありますが、ディティール表現はかなり貧弱で、コクピット内はシートだけですし、ジェットノズルも筒抜けです。また、エアインテーク、脚カバーなどが肉厚でシャープさが足りません。
という具合に欠点ばかり取り上げましたが、外形はよく実機の特徴を捉えています。少し修正を施すだけで、立派なナット・トレーナーが完成します。
2代目キットが存在するので、敢えてこのキットに手を出すことはないと思います。ただ可愛い機体ですしパーツ数も少ないので、もし手に入れることがあれば他のキットの作成時のちょっとした箸休めで作ってみてはいかがでしょうか🐧