日本機の72のキットとなるとハセガワかフジミの定番キットで決まってしまうので、それ以外のレアなキットを蜜柑山から発掘してきました。
AV-USKの1/72スケールの川西 紫雲の簡易インジェクションキットです。

【実機の紹介】
実機は、日本海軍の水上偵察機です。戦闘機よりも早い水上機を目指して開発された機体で、当時としては大馬力のエンジンに二重反転プロペラを装備し、いざという時には真ん中の主フロートを切り離して速度アップを図るなど、新機軸が色々と盛り込まれていました。しかし、そもそものコンセプトに無理があった上に故障も多く、想定した性能が出なかったことから、15機程で生産中止になってしまいました。見た目は奇抜ですが、一応は制式採用機です。
【キットの紹介】
紫雲のキットと言えばアオシマの超ベテランのキットがありましたが、それに遅れること?約30年後に販売されたキットです。AV-USK社はチェコの簡易インジェクションキットメーカーで、80年代半ばから90年代にかけて活動し、零観やキ115などの日本機のキットを手がけていたことでも有名です。2000年代にはAV-USKのブランドでの活動は下火になりましたが、同じ型を使ったキットが別ブランドで販売されていました。
このメーカーのボックスアートは、時々「何じゃこりゃ?」という感じの絵柄があります。今回紹介している「紫雲」では、まるで現代アートみたいな絵柄になっています。

ちなみに、箱の裏は同社のキットのラインナップ紹介になっています。

箱の中身です。機体の大きさの割には小じんまりとまとまっています。パーツの表面はかなり弱々しい筋彫りです。

機首部分をアップにしてみました。成型はMPMのキットをさらに粗くしたような感じで、細かいバリが目立ちます。奥に見えるのはプロペラのパーツで、1枚1枚が別パーツになっています。

キャノピーなどの透明パーツは塩ビ製です。90年代以降の簡易インジェクションキットらしく、細部の表現用のエッチングパーツが充実しています。

主翼の両端にある補助フロートは、実機では引き込み式になっていますが、それを意識して主翼下部の日の丸デカールもフロート部分が分割されています。

パーツの精度はお世辞にもよくないので、せっせとバリを削って、仮組みを慎重に重ねる必要があります。出来上がりは、特異な外形もあって、それなりに紫雲らしく見えます。アオシマのキットとは、比べることが失礼な感じで実機の雰囲気が出ています。
一時、フジミが瑞雲に続いて紫雲をキット化するという噂が流れていたことがありましたが、資料があまりないせいなのか、実現しないまま今日に至ります。確かに生産機数は少ないですが、一応は制式機ですし、キット化すればそれなりに日本機ファンが購入しそうな気がします。是非、本機と97式重爆撃機の通常インジェクションキットを、今の技術で開発して欲しいけれど・・・・まあ、無理ですかねぇ~🐧