今回取り上げるのは、今は亡きLS製の彗星12型の1/72スケールのキットです。

【実機の紹介】
実機は旧日本海軍の艦上爆撃機です。日本機にしては珍しく液冷式エンジンを搭載し、ゼロ戦よりも高速を誇っていました。しかし、エンジンの不調で稼働率が低かったことから、大戦末期には空冷エンジンに換装された型(33型など)が開発されています。
【キットの紹介】
技術のLSが開発した航空機の第1号のキットで、発売されたのは1961年です。その時はスケールは1/75でした。当時の流行で脚と爆弾倉扉が可動になっていました。その後、脚の可動は廃止されています。発売当時は、海外のキットでもほとんどない全面筋彫りの機体や、彗星のフォルムを見事に捉えた外形など絶賛されていましたが、その後の金型の崩れもあって70年代に突入した頃は骨董品のように言われ評価も下がる一方でした。
1974年頃に金型を全面改修して、機首を別パーツにすることによって全長を延長し、主翼を延長することによってサイズを1/72にしてリニューアルされました。その際、爆弾倉の可動は廃止されました。
その後延々と販売されて、LSからアリイ(現マイクロエース)に金型が引き継がれてからも、立派に?カタログに名を連ねています。

箱の中の状況。このキットは80年代に入った頃に購入したものです。

写真からだとわかりにくのですが、パーツ分割は最近のキットとそれ程変わりません。コクピット内も座席や操縦桿など最低限の部品は揃っていて、後に発売されたフジミのキットより精密なくらいです。

元の開発が古いキットなので、主翼と胴体には、デカールの位置を示した筋彫りがあります。邪魔なので平らにしてやりたいところですが、筋彫りを埋める手間を考えれば、開き直ってこれを生かして塗装してもいいような気もします。

小物パーツの出来は、最近のキットと比べるとよくありません。特に乗員はアオシマの旧キットほどではないですが、人間離れした形状をしています。またデカールは日の丸しかなく、あまりに芸がなさ過ぎます。
キャノピーの枠が太いのはLSの旧キットのお約束の欠点と言われていますが、その反面塗装は楽にできます。部品どおしの合わせは、まずまずのレベルです。
全体の形状は、無理に1/72スケールに改修したせいか、フジミのキットと並べると少し各所のバランスが悪い感じがします。しかし、組み立てやすさ、コストパフォーマンスを含めて考慮すれば、まだまだ捨てたものではありません。アリイになってからはキットの各所にバリが出ているようですが、まだまだこのベテランキットにも頑張ってほしいものです🐧