さよなら、サヨナラ……大切な人
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ところがある時、ン? と思うような現場に
出くわすことになったのだ。
それもなんというか、どうしてこんなややこしい
シチュエーションで出くわすかなぁ~というような。
帰りが相馬さんと同じ時間帯になり、声を掛けようとしたら
相原さんが娘ちゃんを抱いて出て来て、その後からすぐに
掛居さんが続いて出て来て……
それをひっそりと眺めている相馬さんがいて、ブルブル。
何気に俺は相馬さんに声かけられなかったんだよね。
おかしいだろ?
何もないんだったらさ、相馬さん掛居さん
声かけるだろ?
『よぉ』だとか『お疲れさん』とか。
だって少し離れてたけど目の前だぜ。
掛居さんの前に相原さんが出て来たっていう状況が
なければ絶対何がしか声を掛けてただろうと思うんだよな。
それでますますおかしいのがそのまま帰宅するなら
出入り口を右に行くはずなんだけど相馬さんは駐車場の
ある左手へ、そう相原さんや掛居さんが向かった左手方向へと
出て行ったんだ。
その時俺の脳は瞬時に閃いた。
三角関係~になりそうなのか、という発想が。
あ~あ、やばいかも、益々俺の出番がぁ~ァ、
|アモーレミオ《無意味な言葉遊び》。なんのこっちゃ。
俺は彼らに気付かれないよう、大股、大急ぎで右折右折で
その後は前進あるのみ。
駆け足で社屋から離れましたとも。
もしかすると自分はトンデモない光景を見てしまったのかもと、
就寝するまでの間やきもきして過ごした。
とにかくその後も忠実に以前より決めてある行動を……様子見、
ひたすら様子見隊であった。
結局全くの部外者の自分に3人の関係性なんてわかるはずもなく
そのままひたすら様子見の日々を過ごした。
永久に様子見隊かも、などと思っていたがある日
|その日《決定的な日》がきたー。
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