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さよなら、サヨナラ……大切な人

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◇相馬の気持ち


 相馬がクリスマス前に自分の心変わりを花に伝えると、どちらかが
異動になった時に交際のことを考える(付き合うのか、申し出を断るのか)と
言われ、姑息にも? 画策するのだった。


 花の前向きな返事を聞いた後すぐに異動願いを出しておいたのだ。


 相馬は花の真意に気付かず、もしかすると自ら墓穴を掘ったかも
しれないことに気付いていなかった。



 もし異動が早期に決まってしまえば、花の望む今の居心地がよくて
ヤル気の出る相馬とペア―で働く居場所を失くしてしまうことになる。


 相馬が異動してしまうということはそういうことなのだ。

 相馬の後任者と組んでの仕事が相馬と一緒に組んでいた時と同じくらい
快適に仕事が上手くいくかは未知数なのだから。


 また下手をすると花自体も他の部署に回される懸念もなくはない。



 果たして……翌年の2月早々に相馬の元へ異動が決定したとの上司からの
内示があった。


 辞令の発令は2月末にあるからと。

 もちろん願いが叶い相馬はウハウハで喜びを隠せなかった。


          ◇ ◇ ◇ ◇

 タイミングよくといっていいのだろうかちょうど時を同じくして
経理の仕事をしている石田ひまりから相馬は恋人の有無を訊かれることに
なる。


 その日相馬が昼食を摂っているところへ経理の渡辺楓と石田ひまりが
二人連れでやって来て「ご一緒してもいいですか」と声を掛けてきた。


 社食なので誰でも空いてるところへ好きに座るものなのだが、
渡辺と石田は相馬と話をしたかった為、敢えて伺いを立てたのである。


 相馬は大抵誰かと一緒に社食に来るのだが、今日はたまたまいつも一緒に
連れ持って来るメンバーが仕事で出ていた為一人で食事をしていた。



 自分の目の前に座った女子社員二人は最初ボソボソと二人の間で会話を
交わしながら食事をしていたが、途中で片方から声を掛けられた。

 声を掛けられた相馬はというと、この時念願が叶い異動が決まったことで、
これでようやく掛居から返事がもらえるのだと喜びを噛み締めているところだった。


 異動願いがこんなにあっさりと決まったことに
自分自身が一番驚いている。


 そしてそれは掛居の返事のことを考えると、幸先の良いしるしだと思えた。








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