さよなら、サヨナラ……大切な人
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「俺も掛居さんと一緒で家庭菜園はじめてみようかな。
どっちがいい作物育てられるか競争だなっ」
「えーっ、いつの間に……競争することになってるぅ~。
相原さんやる気満々だから、勝てる気がしないな」
「そんな弱気なこと言わないで競争しよっ?
協力し合って情報交換も必要だな」
「いや、なんか、私災難に巻き込まれてたりしません?」
「災難ってなんてこと言うんだ。
その反対で幸運だろ。
自分の手で少量とはいえ、口に入れる野菜を作れるように
なるんだからな。
有難たぁ~いことだよ」
「あのぉ相原さん、言ってることが見た目と合ってませんって。
田舎のおじさんになってるー」
「おじさんって……せめて、お兄さんにしてくれー」
「「ははっ」」
「あれだね、話聞いてると掛居さんって土に詳しいんだね、
そのココなんとかって」
「以前一度微生物で育てる野菜作りというのに興味を持ったことが
あって、自然栽培で家庭菜園したいなぁ~って考えたことが
あったので。
結局土の問題があって、やらずに今日に至るっていう
感じでしょうか」
「これって伯父さんからの受け売りなんだけど、日本は
江戸時代まで遡ると元々自然栽培をしてたらしい。
そこへ欧米のやり方が流入してきてというか、誰かが
作為的にしたのだろうけど化学肥料や農薬というものを
使うようになり、それらのせいで農地は微生物が死滅し
瘦せ細り、肥料なしでは作物が育たなくなり、ますます
肥料に頼るという悪循環が出来上がり、化学肥料や農薬を
世界中で一手に牛耳ってる会社が ぼろ儲けする
という構図ができあがっているって寸法さ。
国民の多くは気付いてないけど日本は米国との間に
日米地位協定というのがあってアメリカの占領地の
ようなものだからね、インターネットが普及してなかった頃に
……いや少し前までかもしれないが、無肥料、無農薬なんて
声高に叫んだら消されてたろうね。
化学肥料や農薬を世界中で一手に牛耳ってるのは
ベトナム戦争で大量に使われた枯葉剤なんかを製造した
会社だよ。
世界で初めて無肥料、無農薬でりんごを作った木村さんは実際
脅されたことがあるらしいよ。
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