さよなら、サヨナラ……大切な人

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 クリスマスイブを迎えた午後のひと時を誰との約束もなく、
まったりと過ごしていたら、相原さんからメールが届いた。




『今日は何か予定なんか、あったりする?』


『残念ながらありませんよー』


『田舎からたくさん野菜が届いてるので、迷惑じゃなければ
お裾分けにそちらへ伺ってもいいだろうか?』




『すごいですね。
 迷惑だなんて、ウエルカム、カムです。

 お茶の準備してお待ちしてまぁ~す。
 あっ、でもそちらを出るのは最低でも30分後で
お願いします。

 人に会えるような状態ではないので』




『OK。ケーキも買っていくよ。じゃあまた後で』


 ぎゃっ、うれしい訪問だけど部屋を片付けてちゃんとした
洋服に着替えなくちゃ。

 イブなのにデートの申し込みでもなく、野菜持って
訪問だなんて相原さんってほんと、期待というか予想を
裏切ってくれて……なんか面白いっ。


 相原さんは1時間ちょっと過ぎて来てくれた。

 取り敢えず持ってきてくれた野菜はそのままに私たちは
ケーキとコーヒーの時間を楽しむことに。


「いいですよねぇ~、新鮮で無農薬のお野菜。
 今のご時世最高の贅沢ですよね」





「最初は無農薬で肥料も化学(化成)肥料、
動物堆肥(有機肥料)など使わずに
米ぬかやら、野菜くずやらで微生物をより活性化させる
方法をいろいろ試行錯誤して家族分だけ作ってたみたいだけど、
伯父が定年退職してからは作物の種類と量を増やして
ネットでの販路を探して販売してるみたいなんだ。 
 
 いい時代になったもんだと伯父が言ってたよ」




「私も家庭菜園始めようかなっ」



「作り方とか伯母に訊いといてあげようか?」



「ぜひ、お願いします。
 確か土は捨てられないんでしたよね?」



「うん、そうみたいだね」



「マンション暮らしだとカゴメから出てる軽くて捨てられる
|土《ココヤシピート.etc》っていうのがあるみたいだから
捨てられない人はそれがお勧めかな。


 ただし、化成肥料入ってるけれども。


 私の場合は実家に庭があるのでそこに土を捨てられるので
有難いことにそういう問題は大丈夫なんですよね~。



 なので、捨てられないけど軽いっていう培養土を使うのも
手かなって思ったり、でもこういう培養土ってほとんど
何かしら肥料を入れてあるので、お高いけれどもココヤシピート
を使うべきか悩ましいところですね」





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