さよなら、サヨナラ……大切な人
 

86


◇花と相馬コンビ


 花が相馬の仕事を補佐するという業務に付いてから3週間が
経とうとしていた。

                          
 当面の仕事として書類整理、電話対応、PCでのデータ入力、
資料作成など少しずつ係わらせてもらってきた。



 相馬さんの指導は丁寧で性格のやさしい人らしく説明は
いつも穏やかで感じの良いもの言いだ。


 今取り掛かっている仕事が一息付いたのか、珍しくすぐ側にある
ブースへ誘われた。



「掛居さん、ちょっといいかな、ブースまで」

 指でブースを指す相馬さんから声を掛けられた。


「はい、大丈夫です」



「掛居さん、どうですか僕との仕事、やっていけそうですか?
 何か改善してほしい点とかあったら忌憚なく言ってほしい
……ンダケド」



「相馬さん、お気遣いありがとうございます。
 今のところ大丈夫です。
 相馬さんのご指導が丁寧なので助かっております」


「ほんとに? 本心?」



「相馬さん、これまでいろいろご苦労があったみたいですがそれで
私にもものすごく気を遣われてるのでしょうか? 

 こんなこと、まだ知り合って間もない私が言うのも
おこがましいのですが……」



「ええー、掛居さん、何言おうとしてんのかなぁ……
怖いんだけど」



「ふふっ、前振りの仕方がよくなかったでしょうか?」



「いやまぁ、それで言いたいことは何かな? 聞くけど」




「折角ブースでお話できる機会に恵まれましたので
雑談などをと思いまして。駄目?」


 すごいなぁ~掛居さんは。

 チャーミングに雑談を誘うなんて、いけない|女性《ひと》だよ、
まったく。




「こっ怖いんだけどぉ~」

「少しだけっ、お願いします。

 いろいろと派遣の人たちから聞いていて、噂だけじゃあ何が
真実か分からなくて、相馬さんの口から分かることだけでも
聞けたら今後の私の仕事の仕方なども方向性が見えるかなと
思うので。


 何故こんな野次馬とも取れることを聞こうって思ったかというと
ですね、私は相馬さんの仕事を実力をつけてもっともっと
フォローしたいと考えてるからなんです。


 私も人の子、明日何があるかなんて分からないので
100%の確約はできませんが正社員でもありますし、できれば
腰掛的ではなく長期に亘りこちらの仕事を続けられればと
思ってます」







 よろしければポチ、宜しくお願いいたします。

       書く励みになります。       

 

にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ

in-   out-   pv-