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翌日グループLINEで早速男性陣から次のお誘いがあった。
私は星野の協力隊ということで後1回は付き合うけれど、3度目は
ないということを星野に伝えた。
「だけど、2度会ってどちらからも明確なアプローチがなかった
場合グループで会えないのは痛いなぁ~」
「分かった、じゃあ3度目までギリ付き合いましょう!」
「わぁお、ありがと、サンキュー」
しかし、3度目までという私たちの思惑は杞憂に終わり、
2度目のデートの後、星野は宮内さんと付き合うことになった。
そして、いけないことだけど私も柳井さんと付き合う
ようになった。
2度目に会ってから分かったことなんだけど彼は代議士の息子で
御曹司だったのだ。
顔よし、声よし、性格良し、仕事も家柄もいい。
私の中で気持ちが大きく揺れ動いた。
柳井さんには自分に婚約者がいることを話し、その上で
受け入れてくれるならお付き合いしたいということを
話さなければならない。
そして雨宮さんには他に意中の|男性《ひと》ができたので
申し訳ないけれども婚約を取りやめにしたいと申し出ること。
私は柳井さんと付き合っていることを星野には黙っていた。
けど、絶対バレるよねー、宮内さんと柳井さんは同期で職場が
同じなんだもん。
星野と宮内さんはしばらくの間自分たちの|意志の確認《愛を語る》
に忙しかったらしく、星野から忠告の電話が掛かってきたのは
月が変わってからだった。
「ね、今日宮内さんから聞いてびっくりしたんだけど……
柳井さんと付き合ってるってほんとなの?」
「うん、言い出しにくくて……黙っててごめん」
「えっと、婚約者はどうするの?
魚谷の中ではどっちが本命なのかなぁ~?」
「それは……」
「婚約者も柳井さんも、二股されてること知らないよね?」
「ふ、二股だなんて人聞きの悪いこと言わないでっ」
「人聞きが悪いって言われたってね~、じゃぁ魚谷の
やってることって何なの?」
「雨宮さんには悪いけど、柳井さんと付き合いたいって
思ってるの」
「ごめん、言い過ぎた。
もとはといえば私のせいでもあるんだものね。
何だか婚約者の人、雨宮さんだっけ?
なんか責任かんじちゃうなぁ~。
まさか、こんなことになるなんてね」
「わたしも……こんなことになるなんて思ってなくて、
動揺してる」
「ね、雨宮さんにだけでも早く言ってあげて。
ダメージ大きいと思うから」
「うん、そうだよね……そうする。心配しないで」
◇ ◇ ◇ ◇
電話を切ったものの、星野は頭を抱えた。
次のデートまで敢えて口を噤んでいられたとしても、宮内に
会っているのに婚約者の存在を黙ったまま魚谷が柳井さんと
付き合ってることを黙っているわけにはいかないだろうと
思うからだ。
話せば魚谷を裏切ることになり、黙っていれば宮内を
裏切ることになりはしないだろうか。
宮内と柳井の関係性って親密度どのレベルなんだろう?
最悪、自分も今回の出会いを諦めなければならないかもと、
次のデートが憂鬱な星野であった。
『あっぁー、腹を括るしかないかぁ―――』
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