30.

" Choosy こだわり "


 そんな風に説明してくれる彼女の部屋は、長いソファもテーブルも
・・っていうか、キッチンとか食器棚、飾り棚、照明に至るまで
真新しくて、Living Roomは白と茶系でコーディネートされていて
新築と思える程、素敵な創りだった。


 「何だか内装は新築のように見えますけど、リフォームされて
るんですか? 」

 「ふふっ、分かります? そう言っていただけてうれしいです。
 もう3年経ってるんですけど・・。
 思い切って3年前にリフォームしちゃいました。

 入居前の部屋の感じもそんなに悪くはなかったんだけど、長く住もうって
決めて・・それで思い切って。

 昔からの夢だったんです。
 庭があって今どきのシステムキッチンがあって、マンション風の
こじゃれた部屋に住むのが。

 マンションにするかどうか迷ったんですけど家庭菜園をしてみたかったのと
先で猫が飼えたらいいなぁ~なんて思って戸建てにしました」



 結婚して子供ができても、下の階の人に騒音のことで
気を遣う必要もないし、というのは言わないでおいた。

 どちらにしても、音のことをあまり神経質に気にせずに
暮らせるってすごいことだもの。

 同じマンションなんかでも高級マンションで防音対策の
できてるところだと、そんなに気にする必要はないのかも
しれないけれど。

31.

" Uninteresting Topics つまらない話 "


 「庭も素敵でしたね。車が余裕で2台も止められるし」

 「ありがとうございます。小野寺さんはマンション住まいですか? 
  それとも実家住まいでご家族と? 」

 「しばらく実家暮らししてましたけど、家中物で溢れていたのと
母親からもう子育てから解放してほしいとお願いされたのとで
ぶっちゃけ追い出された形で家を出ました。

 還暦前あたりから母親があちこち、腰やら脚やら不調になって
『申し訳ないけど』と言われました。

 元気で頑張れそうならもう少し家にいてもらってもよかったんだけど
って。

 もう自分のことだけでいっぱいいっぱいみたいで。

 あー、僕の両親は晩婚なもので子供の頃は同級生の親たちよりも
一回り年齢差があって、当時は母親も気を若くして頑張ってたみたい
ですけど・・」

 「小野寺さんのご両親はやさしい方たちで、実家は小野寺さんに
とって居心地の良いお家だったんですね。家を出た経過を聞いて
そう思いました。私のように短大を出て就職が決まるとすぐに
家を出たような人間もいます。

 両親とは不仲でその上、姉ともいうほど仲が良いというのでもなく、
ずっと中学の頃からお給料を貰えるようになったら早く家を
出たいって思ってました。
 
 あっ、ごめんなさい、、つい・・こんなつまんない話しちゃって」

 「いえ、大丈夫です・・っていうか、桂子さんのこと知れて良かった
という言い方も変ですけど、あの・・やはり聞けて良かったです」





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