22.
" Gratitude 感謝 "
 
 
 翌日私はいつものように台所に立ち、自分の弁当と亀卦川くんの
お弁当を作った。

 先週の金曜日は彼がスケジュールの予定のない日だったので
亀卦川くんのお弁当は作らなかった。

 だから今日のお弁当は3日開けての4日振りのお弁当になる。

 私は亀卦川くんが石川さんと付き合い出してからのお弁当作りの
時でもやっぱり彼の好物を作る時、美味しいって思ってくれるかな?
とか、同じメニューが続かないようにしなきゃだとか、人が聞いたら
お笑い種になりそうなことに、一生懸命取り組んできた。

 私の真心が届くといいなぁ~とか・・
お人好しもいいとこ。

 けれどこの土日を経て作る今朝のお弁当・・気がつくと自分の
好きな物で埋め尽くされていた。

 あっはっはぁ~、現金なものねー、笑っちゃうわ、笑っちゃうでしょ
コレって!


 私は小野寺さんと出会って亀卦川マジックがようやく解けた
みたい。

 
 きっと明日からも自分の好みに重点を置いたお弁当を作るだろうと思う。

 亀卦川くんの為のお弁当じゃなく、自分の為のお弁当・・
亀卦川くんのはそのついで。

 些細なことかもしれないけれど、亀卦川くんマジックから
解放されたことを思えば、今回の出会いを提供してくれた知世さんや
ご主人に改めて感謝だわ。

23.
" Good よかった "

 そして2日間に亘り、私と一緒に過ごしてくれた小野寺さんにもね。

 彼はやさしくて、良い人。

 別れ際にちゃんと今度は電話番号を聞いてきた。
 本当に掛かってくるかどうかはともかく、私に対して失礼の無い
優しいマナーで接してくれた。

 まぁ堤防まで来てくれたのには驚かされたけれど。
 でもうれしかったかな。

 だけど、おそらく結婚を前提の交際にはならないだろうと思う。

 後、数回デートするようなことはあるかもしれないけど。
 でも私は思った。

 亀卦川くんのことを本当の意味で吹っ切れたことは、大きな
収穫だなって。

 ずっと考えてた・・このままの気持ちじゃいけないって。
 でないと、また先で流されて亀卦川くんと関係持ってしまいそうで
怖かったから。


                    ・・・・・

  午前中は忙しくてバタバタしていたせいもあり
ようやく、昼休みに私は知世さんと少し話せる時間が
持てた。

 いつもお弁当を食べる部屋の横に少しだけスペースのある
場所があるのだけれど、ちょうど部屋に向かっていたら
その辺りで上手い具合に知世さんに会った。



 「ガキさん、ふふ、小野寺さんやさしそうな人だったわね」

 そう言って知世さんのほうから話掛けてくれた。

 「うん、それに話やすいし一緒に居て寛げるっていうか・・」

 「へぇ~、そうなんだ。・・ということは、まぁ、あの日は
いい感じに話ができたってことよね? 良かったわぁ~。
 


 

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