15.
" A Good Guy いい男 "

 
  私、こんなところにいるなんてきっと何かの間違いよね? って。
  表情や物言いに出ないよう、気を張っちゃった。
  最初のうちは、頭の中グルグルしちゃって。


 だけど知世さんがうちの親でも敵わないくらい、私の為に
一生懸命今回の件、頑張ってくれるのを 見てたら、有難くて
涙が出そうになった。

 だぁかぁら・・、自分を卑下するのは止めて、私もね、知世さんの
熱意に応えようって思った。

 伊達に世間の荒波に揉まれてきたわけじゃない。

 もう変な恥じらいは捨てて、いつもの自分らしく大人の対応で
知世さんやご主人の緒方さんそして緒方さんが紹介してくださった
小野寺さんに対して失礼のないよう良い時間を過ごそうって思えたの。

 そう気持ちを切り替えると、余裕が出てきて、改めて緒方さんと
小野寺さん並べて見てみたら・・あらっ、ふたりともいい男だこと。



 知世さんが結婚したと聞いた時もいいなぁ~羨ましいって思ったけれど
正直旦那さんがこんな素敵な男性《ひと》だなんて思いもしなかったから
やっぱり、うだやばじぃーって思っちゃった。

 もうこの時私、悟っちゃってたんだね、きっと。

 34才ったって、見た目実年齢より若くって20代の女子でも寄って
来そうなこの目の前の男《ひと》はきっと緒方さんの顔を立てる為に
ひとまずここに来たんだろうなぁ~って。

 でも最初から笑顔で感じが良かったし、知世さんの話には
神妙な顔をして聞き入ってて、私からの彼に対する印象は花マルだった。


 でも最後には断ってくるだろうことも、もう分かってたから
私はなるべく楽しい会話を心がけて、小野寺さんと楽しい時間を
過ごそうって決めたの。



 

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