12.
" Ex-Some Girlfriends 元カノ たち "


 まぁ合わなけりゃあ、断られることもあるだろうし、こちらから
断ることになることもあるだろうけれど、相手の女性と自分とは
職場も違うし、後腐れみたいなものも残らないだろう。

 暇つぶしと言えば語弊があるけど、なかなかこんな話を持ってきてくれる
者もそうそういないのだし、俺は軽いノリで『行きますよ』と、緒方さんに
返事した。

 まぁ、たまたま良縁に恵まれりゃぁ、これまた言うことなしだしな。

 ・・とはいうものの、正直な話、ほとんど期待はしてなかった。


 緒方さんの奥さんを見て、お相手の女性とお茶して気晴らしして
帰ればよいだろう。

 緒方さんの顔を立てることもできて、ひとまず
皆Happy.Happyじゃね?


 ここ3年程付き合ってる相手はいないが、俺はとにかく中学生の頃
から、付き合ってる女子が切れたことはほとんどない。 

 1年未満の短いスパンの子も入れると過去6人と付き合ってきた。

 28才辺りから結婚も意識して付き合った相手には、ほんとうに疲れた。

 あんなにしんどいのなら、一生結婚はしなくてもいいかなと
思うほどに、心身ともに疲弊したのだった。


 緒方さんから紹介見合いの話をもらってから改めて中学からの
元彼女たちのことが次から次へと思い起こされた。

13.☑
" Vortex of Thought 思考の渦 "

 
 あー、誰かに癒されたい・・と俺は自分が思ってることに気付いた。

 緒方さんの奥さんと紹介相手の女性のことが楽しみだ。

 とにかく相手次第のところもあるが、普通の会話を楽しめる
相手だとして、その日一日・・一期一会になるとしても、楽しい時間に
しようとそこだけは考えていた。

 小野寺は目下の自分のような者にも気を遣って接してくれる
緒方のことが好きだった。

 俺のほうから断ったからといって圧力をかけてくるような人じゃない。

 だから・・気楽に構えていられる人からの話だから
俺もまた気楽にこの話を受け(られ)たのだ。


 緒方さんは良い人だから、奥さんの為にこの話を俺に持ってきたけれど
俺のこともすごく考えてくれていて、断り易いように話をしてくれた。


         ・・・・・


 俺の歴代の彼女は同い年か年下ばかりだった。

 振り返ってみれば、どの子も最初は殊勝で尽くしてくれていたが
付き合いが長くなるうち、少しずつ我儘が出てくるようになり
束縛が激しくなっていった。

 そして人には束縛しておきながら、自分たちは他にBFを
作ったりしていた。


 最後に付き合ってた相手は、結婚するまではいろんな男性《ひと》と
付き合ってみたいと思うものでしょ? それにあなたはやさしいから
許してくれると思ってたし、と言った。


 はぁ? はぁー? はぁ~ ?

 100歩譲ってそれを俺に許していたのならいざ知らず、俺には女性との
ちょっとした会話すら許さないでおいて・・それはないだろうって・・。


 まぁ、今更だ。
 終わったこと、忘れよう。

 そう思うのに思考の渦が次から次へと俺に襲い掛かって来るのだった。

 

 


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