81,82話続けてupしました。
83.☑
ルームツアー3
「一人暮らしってなかなかいいもんですよ。
何でも自由に思うままに暮らせて。
楽チン! 」
「はぁ・・」
「あぁ、子だくさんな暮らしも最高じゃないですかー」
「あなた、僕をおちょくってるんですか」
「いえいえ、いろんな暮らしぶりがあって、いろんな形の
生き方があって、どれも幸せならいいんですって言いたいだけ」
「はぁ・・もしかして、僕は慰められてるんですか・・」
「もう、そうじゃないってば。
なんで独り暮らしの淋しい女が、愛しの子供3人もいる幸せな
神谷さんを慰めないといけないんですか? 」
「淋しいんですか? 」
「そこ、突っ込みますかー。
まぁ、淋しい時もあれば、しがらみがなくてそれが心地よい
時もあります。
女心はその時々で変化するんですっ。
ンとに、いちいち突っ込まないでくださいよー。
ルームツアーですよ、只今ルームツアー! 」
「そうでした、ゴメン🙇。
あれっ、冷蔵庫の横につけてあるマグネットホルダー? に
入れてあるシャンプーみたいなのは何ですか? 」
「おおー、気がつかれましたか・・」
うれしそうに彼女が説明をしてくれる。
「観葉植物用のお水を入れてあるスプレーボトルと洗濯洗剤の
ボトルです」
「そっか、ここも床に置かない収納になってるんですね」
「そっ、そうなんですよぉ~、イイデショ」
俺の指摘に彼女の機嫌が急上昇。 ヨカッタ~ヤレヤレ。😥
83-2.☑
「これも見てください」
彼女が案内してくれたのは、冷蔵庫と洗濯機の狭間に置かれた
物体。
それも空中に鎮座している。
「ゴミ箱なんですけどね、マグネットで洗濯機に付けて床に
置かないようにしてるんです。
床掃除が楽になるように」
「ほぉ~床にモノを置かないを徹底してますな」
「ふふっ、そうなんですよっ、人呼んで、香流収納術と
お呼びください~」
「へぇーへぇー」
「プッ 笑、、ちゃかさないでぇー」
香さん家の冷蔵庫は、一人暮らし用で小ぶりのものだ。
ドアにマグネットでくっつけられている小物入れが気になった。
「冷蔵庫にくっついてるこれ何?
猫だけど、ただの飾りか何か? 」
それは透明の小物入れに入れられていた。
「あぁ、これね、箸置きなんです」
「へぇ~」
冷蔵庫の上にはレンジ、そのまた上にはトースターが乗せられている。
狭い空間をいかに効率よくモノを置くか、徹底してるな。
それにしても、収納術というか整理整頓術の長けた香さんには
脱帽だな。
レンジの横にはお茶関係のものがきちんと陳列してある。
砂糖、クリープ、紅茶、コーヒー等々。
「あぁ、そこはカフェコーナーなの」
そっそうか、ナイスネーミングだな。
香さんはネーミングもおしゃれなんだ。
一緒にいると、子供連れの小汚い生活臭を忘れてひと時
こじゃれた空間にいると錯覚させてくれる。
ルームツアーってなかなかいいものだなー。
よろしければポチ、宜しくお願いいたします。
書く励みになります。