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What a Wonderful World

大きな世界に小さな自分を置いてみる。

【2日目】5:00起床。昨夜早く寝たせいか自然と目が覚めた。朝日が登る予定時刻は5:40頃。外はもううっすらと明るい。空がピンクと水色のグラデーションに染まり、刻一刻と表情を変えていく風景を見守った。

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雲が徐々にオレンジ色に光りだす、日の出の瞬間。

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不思議と大きく見える太陽は昇ってしまうと直視できない。この瞬間だけ、太陽が丸いことを確認できる。

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朝風呂に入り、7:30朝食。朝は鮭と笹かまがメイン。ちゃんと特産品を出してくれる旅館っていいな。

すぐにでも次の街へ出発しないといけないのに、窓の外の絶景に後ろ髪をひかれてしまう。すっかり昇った太陽が水面を照らし、きらきらと輝く白い波模様をつくっていた。さらば松島。

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8:30チェックアウト。駅に向かって歩いていると、いい雰囲気の酒蔵を発見。宮城県オンリーの酒蔵商品を取り扱っているらしく、ここでしか買えない日本酒というのを試飲させてもらった。すっきりしていてとっても飲みやすい!他にも松島地ビールと藻塩を購入。東京まで郵送してもらうことにした。

9:30頃松島海岸駅に到着すると、列車が同時にホームを出て行った。次はなんと1時間後。がっくり肩を落としていると、駅員さんが「急いで切符買って!140円です、40分発の臨時バスが出てるから!」と親切に教えてくれた。震災後、一部アクセスが悪くなってしまっている路線では、臨時連絡バスが発着しているようだ。トランクを抱えてバスに飛び乗った。

高城町下車。乗換案内によると、ここから歩いて15分のJR松島駅で列車を待つことになる。目印も案内看板も無いので不安になり、途中で何度も通りすがりのおじいさんに道を訪ねた。「は?歩いて行くの?」みたいな反応に若干心細くなるも、乗換案内とおじいさんが示してくれた方向を信じて歩き続ける。みんな口々に「橋を渡れば」と言う。それらしき橋を発見したときは心が晴れやかになった。駆け足で改札へ向かうと、電光掲示板には5分後に発車の表示。こんなときに限って陸橋を越えた反対側のホームへ移動しなければならない。さすがにこれを逃すわけにはいかないので、トランクを担いで階段をダッシュ。息を切らしつつ、ホームに滑り込んできた列車にまた飛び乗った。

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発車してからしばらく移動で一息つく。朝旅館で無料サービスのCoffeeを何杯も飲んでしまったせいで、ずっとトイレに行きたかった。次の乗り換えで一旦トイレ休憩を挟み平泉へ向かった。

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12:30平泉に到着。綱渡りのような乗り換え移動にもかかわらず計画通りの到着に驚きと達成感。まずは駅に隣接した観光案内所へ。観光スポットがわかりやすくまとまったマップを入手。平泉には名所が散らばり、乗り放題の巡回バスなども走っているようだ。邪魔なトランクを預けたかったのでコインロッカーの場所をおねえさんに尋ねると、「前方の手荷物預かり所でしたら200円なのでお安いですよ」と気の利いた情報をくれた。観光案内所はうまく活用するべし。駅からまっすぐのびた一本道を10分も歩けば毛越寺に着くというので、街並を見ながら歩いてみることにした。

東北地方で初めて世界文化遺産となった平泉。対象となったのは中尊寺や毛越寺をはじめとする仏教寺院や浄土庭園など。日本固有の自然崇拝思想と融合した仏教を現世に表現する為につくられた独特の事例であることなどが評価された。
毛越寺は開店休業中の極楽浄土といった感じ。しんと静まり返り、冬枯れの景色もなかなか趣がある美しい庭園だった。

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大泉が池のまわりをぐるっと一周。心を穏やかにしてくれる。

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歩道に立ちふさがる巨木。

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その裏側がまさかこんなことになっているとは。

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池に水を引き入れるために造られた『遣水』。平安時代の遺構としては日本唯一のもので、とても珍しいらしい。この遣水を舞台に毎年新緑の頃「 曲水(ごくすい)の宴」が開催され、風情ある光景を愉しむことができる。

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水を引き入れるため人工的に作った割には、自然とできた小川のように自由なエネルギーを感じる。人と自然の共生を願う「いにしえの心」がここにも残っていると思った。

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シンボルの出島石組と池中立石。

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毛越寺庭園のすぐ近くにも遺跡があるようなので行ってみることにした。

極楽浄土を表現した庭園と言われる観自在王院跡。平安時代の作庭手法を今に残す。平泉は長い戦いのあとに作られた、争いの無い理想郷。建物の多くは徐々に焼失し、庭園は田地に変わっていったが、平泉の人々は遺跡を良好な状態で守り続けてきた。

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地中からはい出したような変な木を発見。倒れたというより、横向きに生えているようだ。

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そろそろお腹もすいてきたので飲食店を探していると、気になる看板が目に入った。あの『美味しんぼ』にでてきた暮坪そばが食べられるお店らしい。暮坪かぶは、漫画の中で刺身やそばの究極の薬味として絶賛された幻のかぶ。原種に近いので収量も少なく貴重な食材らしい。こんなところで出会えるなんて思ってもみなかった。

『高松庵』店主のおじいさんが、暮坪かぶを見せてくれた。見た目は小さい大根みたい。

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擂りおろしたものを薬味としてそばつゆに入れる。「始めは半分くらいで様子を見てください」と言われたのでその通りにして早速いただく。思ったより辛い!ワサビのような鼻をつんと抜ける香りと刺激、かぶの苦みと甘みが合わさったような、食べたことの無い味。辛くてさすがに入れすぎたか?と思ったが、不思議と徐々に癖になっていく。最後には薬味も含めて完食。2笊平らげた。

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最後にそば湯。これが、辛みと苦みがマイルドになり、つゆの甘みも合わさってまさに絶品だった。

つづいて中尊寺へ。高松庵店主によるとここから15分くらいだというので、時間もまだたっぷりあることだし歩いて行ってみることにした。
中尊寺の入口で鳥居をくぐるとその先はずっと上り道。寺マニアだったら堪らないだろうと思う程、道中にはお寺がたくさん。

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弁慶堂

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白山神社には次のような言い伝えがある。
参道(産道)を通り茅の輪をくぐる事は、生まれたばかりの純真無垢で罪・けがれの無い赤ん坊の様に清浄な心に生まれ変わろうという事を意図している。

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能楽殿

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立派な老松が描かれていた。色鮮やかで、苔むした茅葺き屋根もどっしりとしていて、100年以上前に建てられたものとは思えない。

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十二支生まれ歳守護神社

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この自然との調和感。

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青竹が水面に映って、まるで湖面奥深くまで伸びているよう。

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芭蕉さんこんにちは。

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「五月雨の 降り残してや 光堂」
年々降り続いて、すべての物を朽ちさせてきた五月雨も、この光堂だけは降り残したのだろうか。その名のように、数百年を経た今も光り輝いているよ。

本堂「金色堂」は64000枚もの金箔がはられた、金色に輝くお堂。ガラスの壁に取り囲まれて近づけない上に想像していたより小さく、細部まで見ることができなかったが、柱や梁には「螺鈿(らでん)」という虹色に輝く伝統技法の装飾を確認することができた。夜光貝がはめ込まれ、極楽浄土に咲く花びらを表現している「毛彫り」という繊細な技術も見られる。手鏡など小さな工芸品に装飾として使われるのがほとんどで、毛のように細い彫りが施されていた。さらに阿弥陀三尊像(阿弥陀如来坐像、観音菩薩立像、勢至菩薩立像)を中心に、左右に3躯ずつ計6躯の地蔵菩薩立像が安置されていて圧巻だった。

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16:25発くるくるバスに間に合い、平泉駅に向かう。荷物をピックアップして本日の宿泊先である水沢へ。列車待ちの間、駅前のCafeでおしること弁慶のほろほろ漬け、前沢牛コロッケを注文。

ビジネスホテル宿泊の際、いつも駅から歩きつつコンビニを探す。水沢駅からの道すがら辺りに目を配りながら歩くが、既にシャッターの閉まったお店ばかり。何も見つけられないままあっというまに『水沢サンパレス』に着いてしまった。

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チェックインして部屋に入ると、事前にリクエストしていた加湿器がちゃんと置いてあった。狭いながらも不自由しないこの感じ、何となく好きだ。必用最小限のもので過ごすのはどこかキャンプにも似ている。
先にコンビ二で買い物をすますことにした。Googleマップを手がかりにコンビニまで歩く。スープ、水2L、デザートなどを買い込んで宿へ戻る。旅にはいつも入浴剤を持参。今日はお風呂につかってゆっくり休んで、また明日の観光に備えよう。


次回へつづく…