あやかさんのつわりは思っていたより大変だった。

 

全然食べ物を食べられなくて、食べたらすぐに吐いてしまう。

 

つわりは人によっても違うし、赤ちゃんによっても違うらしい。

 

あやかさん曰く「熱中症と船酔いが一緒に押し寄せている状態」とのこと・・・恐ろしい。

 

というわけで、家事は僕が進んでやることにした。今はそう決意してから大体1ヶ月くらい経つ。

 

洗濯、毎食のご飯、お弁当作り、勿論食器洗いも拭きも、ゴミの分別と毎日のゴミ出し、クイックルワイパーで部屋の掃除、あと、あやかさんはすぐに吐いちゃうからトイレ掃除も、今のところ家事というものはほぼすべて僕がやるようにしている。

 

やればやるほどあやかさんには感謝される。「普通の旦那さんはこんなにしてくれないらしいんだ」と言っていた。嬉しい気持ちとともに、「奥さん辛そうにしている時に、一緒の家にいる者として何もしないっていうのが逆に信じられないけどな」と返した。でも「奥さんが苦しんでいるのに何もできていない自分が苦しい」というのも本音だと思う。

 

今日はあやかさんがオムライスなら食べられそうだと言うからオムライスを作ってみた。味がしょっぱすぎたみたいだ。付き合っていたときからポテトチップスのコンソメ味が好きだったなと思って、冷蔵庫にあるコンソメのキューブをケチャップライス入れ過ぎた。塩分の過多はよくないと最近読み始めた本「初めてのたまごクラブ」にも書いてあった。

 

その前は本を読んでサツマイモが良いと書いてあったので大学いもを作ってみた。あやかさんはイモが好きだから気に入って食べてくれたけど「吐いてしまう物という印象が付いて嫌いになりそうだからあまり食べたくない」と言って残した。残りは僕が食べた。

 

7週目から頻繁につわりはひどくなっていって、物を食べること自体が厳しくなっていた。なぜかパイナップルだけは食べられるらしいので、一口大にカットされたパインを2日に一回くらい買っていた。あとは少量の水を飲むくらいだ。

 

8週目のときは臭いに敏感になった。僕がお弁当用のお米を炊いている臭いも嫌だと言っていた。ご飯を食べる時は換気扇を強にすることが当たり前になり、あやかさんは寝室に避難するようになった。

 

9週目からは音にも敏感になっている。僕がリビングでテレビを見ていると音を下げて欲しいと言われた。「寝室とリビングのドアが開いているから閉めようか」と聞いたが、それも嫌らしい。情緒が不安定になりやすいと本にも書いてあったのでこのことをいうのかと思った。

 

僕はというと少しずつ家事をすべてやるということには慣れてきた。部屋中の拭き掃除は、お弁当作りはまとめて土日にやる。晩御飯作りとかは意外と自分だけでできたりしてきた。でも一緒の部屋で過ごさないことにも少しずつ慣れてきてしまったように感じる。前はもっと一緒にいる時間が多かった。

 

もちろん全く一緒にいないわけじゃない。あやかさんから呼ばれたらコップの水を変えに行くし、辛そうな時は手を握る。でもそれ以上触れようとすると吐き気が強まってしまうらしくてあまり触らないようにしている。正直寂しい気持ちだ。

 

生まれてくるジョンキャサ(仮名)のためにも、今は色々と我慢しなきゃいけないところなんだなと思う。あやかさんの為にやることは、自分のためでもある。僕は傲慢な態度をすることがあるから「自分はこんなにやった」と思ってしまいがちだ。今回あやかさんが妊娠している時に「僕はこんなにやっている」とは正直言いづらい。

 

心の底からあやかさんを尊敬する。生まれてくる命のために今日も頑張っている。その為にサポートする僕はちっぽけだ。

 

でも、最近あやかさんが「常にたくさん動いてくれてありがとう。結婚してよかったと何度も思ったよ」と言ってくれた。こちらこそと言った。本当に泣きそうだった。この為に今僕は生きているんだなと思った。そう思って今日もあやかさんが吐きやすいようにトイレを磨きます。