①遺伝子組換えでない(任意表示)
分別生産流通管理がされていて意図せぬ混入が検出されない場合(0.1%未満)
②分別生産流通管理済み(任意表示)
分別生産流通管理がされていて意図せぬ混入率が5%以下
〜以下、転載〜
「遺伝子組換えでないを見かけなくなった理由」
もうあまり知られていないかもしれないが、僕は過去に遺伝子組換え作物の反対活動をしていた。講演や勉強会も頻繁に行なっていた。
しかし、その後、無肥料栽培を普及する方がプライオリティが高いと判断して活動内容を変えている。
で、最近、また気になりだしたので、少し書いてみることにする。
4/1から遺伝子組換え表示方法が変わった。スーパーに行っても、"遺伝子組換えでない"という表示を見なくなった。
3/31までは、分別生産流通管理をしていれば、遺伝子組換え作物が意図せず混入したとしても5%以下の混入なら"遺伝子組換えでない"と書けていた。
この分別生産流通管理というものをまず説明する必要がある。
分別生産流通管理とは、輸入原材料を使用する場合だが、遺伝子組換えとそれ以外を完全に分離して管理し(畑も倉庫も船もトラックも工場も)、7つの証明書(写真参考)が全て取得することである。
これは、相当な資金を持った大企業しかできないシステムである。とても小さな善良な企業が出来ることではない。
国産材料であればかなり省略はできるが、絶対にかつ完璧に国産しか扱わない企業であっても流通マニュアルというものがあり、これもそれなりに厳しい。
しかしこの4月より、分別生産流通管理をしていたとしても、極微量でも混入した場合は"遺伝子組換えでない"とは書けなくなる。
これは表示が厳しくなったわけで、良いことと思う人もいるだろう。
しかし現状は、遺伝子組換えでないと自信を持っていても、万が一遺伝子組換え作物が僅かでも含まれてしまっていたら、食品表示法違反で罰則、企業名公開となる。
分別生産流通管理済みであっても、現状、1%未満の混入は避ける事は難しいと言われている。 だからこそ、EUでは1%未満という基準で運用しているのである。
しかしこれを0%(実際には検出不可能値である0.1%未満)にしてしまったら、恐らく混入がないように頑張ってきたまともな企業であっても、リスクマネジメントの観点から、もう"遺伝子組換えでない"とは書けなくなる。
そして、案の定、多くの商品から"遺伝子組換えでない"という表示が消え"分別生産流通管理済み"に変わった。この表示を見て消費者はどう判断するだろうか。
これは実質、"遺伝子組換えでない"という表示の剥奪であり、"遺伝子組換えでない"商品を特別なものにしたくないという政府の意図が見えてくる。
なお、遺伝子組換え表示のルールは以下の通り。
①遺伝子組換えでない(任意表示)
分別生産流通管理がされていて意図せぬ混入が検出されない場合(0.1%未満)
②分別生産流通管理済み(任意表示)
分別生産流通管理がされていて意図せぬ混入率が5%以下
③遺伝子組換え不分別(義務表示)
分別生産流通管理がされていない場合で混入率が不明
分別生産流通管理がされていて意図せぬ混入率が5%を超えている場合
④遺伝子組換え(義務表示)
分別生産流通管理がされていて遺伝子組換え作物を使用している場合
複雑怪奇。これで消費者が分かるとは思えない。