ただ逢いたいだけなんだよね。

話の中身なんて何もない。

ただ君を目の前にして、話しをしたい。

店の喧騒なんて構わない、いや、むしろ騒がしいほうがいい。

ずっと目の前の君を見ていたい。

この店も21時には閉まってしまうけども。


たださ、それだけなんだよね。

ただそれだけが叶わないことが無性にやるせなくなる。

誰に対してだか解らないけれど、無性に腹が立ってくるわけ。

たださ、毎日働いてヘトヘトになっていくだけなのに、君に逢えないなんて、酷すぎじゃないかってね、思うんだよね。


君を目の前にして、逢えなかった時の恨み言を言っても仕方ないんだけれど。

たださ、今度いつ逢える?なんて聞かないよ。

分かっているんだ。何にもかも。

どんなことも分かっているんだ。

そこまでうなぬぼれちゃいないよ。


これが最後だったとしても、お礼だけはちゃんとしたくてね。

いいんだ、全部分かっている。だてに何十年も自分と付き合ってないよ。

自分がどんな人間なのかなんてよく知っている。

たださ、どうしょうもないことがあるってことを最近は分かってきたんだよ。


それだけ。

今でも君の気持ちさえ察してあげれない自分だけども。君の人生が上手くいくことを願っている。

君と僕との間には目に見えない壁があってどうにもこうにも越えられない。


悲しいけど、これが現実なんだって分かっている。

さあ、今日はありがとう。

最後のコーヒーを飲んでお別れしょう。