岸辺でなんとなくうとうとしていると車の窓を叩く音にハッと目が覚める。
「大丈夫ですか?」などと遠慮がちにライトを下にして眩しくないようにこっちの様子伺う人。

見ると警察官でした。

「何かありましたか?」と聞かれて京都から帰って来たものの新型コロナウィルスの疑いがあるので、ハッキリするまで家の方には入らないようにしている旨を伝える。
「コロナ」と発言すると三人いた警察官が三人ともたじろいでいました。
警察官の言葉は丁寧なのだけれど、私がかなり怪しいらしく根掘り葉掘り聞かれてしまう。
夜中に挙動不審の私みたいな人間を相手にしている警察官のことがかえって不憫に思い、聞かれたことは丁重に答えていました。
それでも車の中のカバンやリックの中、前の座席の収納ボックスまで細かくみられてましたが…。それが恐る恐る見る感じがあり、そこまで怪しまなくてもというくらい念入りに見てましたね。

それでも言葉と態度に最大限の丁寧さがあり、何故か知らないけどめちゃくちゃ気を遣っているよでした。
こんなところに車を止めてはいけないとか言われるかな?と思っていたのですがそんなふうもなくただただ、いろいろ聞かれてしまう。
私もその都度、聞かれたことは丁寧に話すようにしておりました。
最後は免許証まで見られて、それだけではなく、本当にその免許証が本物なのかみたいな照会までされておりました…。

まぁ、でも外は寒いし暗いしでこんな時間に仕事している自分より若い警察官に同情のほうが強くあり、そんな警察官を少し気の毒になる。

散々調べると何かスッキリしたみたいで最後は「お休みところ申し訳ありませんでした。寒いのでお身体気を付けて下さい」などと言われて早々に帰って行っておりました。

私も車中泊で少し寂しかったので警察官とはいえ少し人と話しが出来て気が紛れた感がありそれから車に戻り何か安心したように寝てしまいました。

寝ながらもヤンキーとかチンピラに絡まれたり、車にいたずらされたりするかもしれないなぁと思いもあったけれど、それよりも疲れの方が優ってすぐに眠ってしまう。

仕事が遅くなる事がよくあり、夜中にどうしても誰も居ない会社でごそごそすることが多く、はたから見るとめちゃくちゃ「怪しい人」に見えるらしい…。

こっちは仕事の段取りや前日にやっておかないと翌朝からやっても次の仕事に支障をきたすし、確認で時間をとられてしまい、次の仕事がスムーズにいかないので極力、先にやっておこうとしている。

これが良いのか悪いのか分からないけれど夜中に仕事が終わり、車に乗り込み走り出したりすると途端にパトカーに止められて職務質問されたりします。

その都度、免許証を調べられて控えられるから怪しい人リストなんかに登録されているかもしれませんね…。

そんな話しを同じ仕事をしている人に話すとやっぱり同じように職務質問されて帰ったかと思うとまた、警察官が戻って来て「もう一度話しを聞かせてもらっていいですか?」などと云われるらしい…。

その人は年間殆ど休みなく働いていて車中泊もするし、出張でホテルをとっていても朝方帰り、シャワーを浴びてそのまま寝ずにまた、仕事というふうな感じで絶え間なく働いている。

まぁ、忙しい業界というのはそんなものなのかもしれません。