もうあなたの姿は追わない

明日、朝の冷たい空気の中で

振り向きもせずにここから出て行く



さようならといったとしても

それはあなたに届かず

遠い汽笛のように流れて

あなたの身体を過ぎていく



だから

何も言わずに

出て行きます


あなたとわたしはどこまでも

交わること出来ない並行のラインの上で

それぞれの道を歩いていた


それに気づかないふりをして来たけれど

手を伸ばせば伸ばすほどあなたは

遠ざかり、指先にも触れられない


わたしが見ていたものはあなたではなく

あなたが見ていたものはわたしではなく


その現実を

いつもくる朝のように受けとめて


明日わたしはあなたから離れていきます