He is a specialist in Orient history.(彼は東洋史の専門家だ)

 

Orientは「東洋の」という意味です。「西洋の」はWesternで、「東洋の」はEasternという語もありますが、Orientという語を使うことが圧倒的に

多いですね。ではなぜ、orientが「東洋の」という意味になったのでしょうか?

 

orientはもともと、ラテン語のoriri(=to rise)を起源としていて、「昇る⇒(西洋から見て)太陽が昇る場所⇒東の」というように意味が展開して

いきました。ちなみに、このoririから派生した単語がorigin(起源)という語です。「太陽が昇る⇒1日のはじまり⇒起源」のようになった例ですね。

 

このように、ori-が「始まり」を示す語だということを知っておけば、original(最初の、元の)やaboriginal(初めからの)という単語も理解できますね。ちなみに、オーストラリア先住民のAboriginalも、なぜ「アボリジニ―」と呼ばれるかといえば、「もともと始めからそこに住んでいた人」ということで理解できますね。

 

orientは動詞で「建物を東向きに建てる」というところから、「物を特定の向きに置く」⇒人に転じて、「人を目標に向かわせる」という意味に展開します。新入生対象に行われる「オリエンテーション(orientation)」はorientからの派生語で、「新しい環境に適応できるように人を方向付ける指導」ということですね。

 

ちなみに、よくレクで行われる地図と磁石を頼りに支持された箇所を通り、短時間でゴールするのを競う「オリエンテーリング(orienteering)」もorientからの派生でスウェーデン語から20世紀になって入ってきた語のようです。(Naka-shun)