ALIPS ver.2.0例会が開催されました。

ご参加された皆様、大変お疲れ様でした。年内最後のALIPSでしたが、今回も大変学びの多いものでした。

今回特に気になったエッセンスとコメントを書かせて頂きます。

 

 

1. 英語教育におけるアクティブラーニング再考(田中先生)・モデレータ(中村)

アクティブラーニングは教授法ではない

アクティブラーニングは学習過程のなかで生徒のなかに創発する学びである。

                  ↓

①「主体的に学習に取り組む態度」(評価の観点の1つ)

 =自律学習者autonomous learner)の育成のことである:自分であらゆることを選択し、行動できる力をつける

②教え方ではなく、生徒の学習過程で何が起こっているかに注目する必要がある

reflection(振り返り)・inquiry(探求)が「深い学び」を可能にする

活動がアクティブラーニングの誘因になる

→活動に狙いを持たないといけない

 

 

    reflectionを蓄積して、生徒が自分の学びの過程や変化に気づけるような振り返りシートの作成、活動の狙いをきちんと言語化できるようにし、「どういう活動をすれば~が実現される」ということを考えながら授業計画を立てていく必要性を実感しました。

 

 

2.  英語学習史について(田中先生)

自分の英語学習を振り返り、経験・思いを語ってもらった先生のご経験から、授業を作るうえでの重要なポイントが示された。個人的に重要だと思ったこととして、

・一緒に学びを体験できる―「どうして、そうなのか」を生徒と共に考える

I don’t knowといえる教師=一緒に生徒の疑問と付き合う教師

・生徒ができないのは自分のせいだと考える

良いところを指摘する文化を作る

 

    私自身も、準備段階で自分(=教師)がワクワクしない授業はしないというポリシーがあるので、とても共感できました。また、自己肯定感が低い子供たちも多いため、「減点」という言葉にはとても敏感です。互いに良いところを認め合い、さらに良くするためにはどうしたら良いかを効果的にアドバイスできる教師を目指したいです。

    「英語学習史」を記述させるのは個人的にとても気になりました。高1の最初に記述式で問うてみるのも面白いと感じました。彼らの「英語学習史」に自分の授業が入っていくと思うと身の引き締まる思いです。また、参加された先生が行ったアンケート結果から「英語が苦手だけど、できるようになりたい」という生徒が多いことが気になりまhした。

 

 

3.  Task-based Instructionについて(田中先生)・モデレータ:弓桁さん

CLTCommunicative Language Teaching)の背景には言語行為論(Austin, Halliday, Lavobなど)がある。

・自分にかかわるものに必要な英語:ESP, EAP

 ニーズ分析John Munby)は効果的な外国語教育に必須

TBIの従来型の手法=PPPPresentationPracticePerformanceProduction

・これからのTBI:活動のなかで文法などの言語表現を学んでいく

英語を学ぶことにリアリティーを与える・予測できない展開の可能性

・「プロジェクト学習」はauthentictaskになり得る。

DiscussionPresentationResearch3つを含めることが大切。

→複数のtaskが絡む活動になる。

・タスク遂行のために必要な言語表現・文法をどう教えるか?

→チャンクで英語の思考回路を作る・チャンクのなかで文法を教える・言語形式に注目させながらも、For meI think, I guess, My impression is thatといった表現を加えてpersonalizeさせること。

・説明しすぎると、わからなくなってしまう

→本質的な理解に根差した説明を12分で行えるようにし、活動をしながら、その理解を補強していくプロセスが大切

 

 

    外国人向けに街の魅力を英語マップで作り、観光計画を立てるプロジェクトを今、計画しているので、様々なヒントを頂きました。実際の外国人にプレゼンを聞いてもらい、魅力的な観光プランに投票してもらうのもとてもautheniticな活動になると思いました。

 

今後の授業のために、多くのヒントを頂きました。今回もたくさんの学びの機会をありがとうございました。(Shunsuke Nakamura)