cakeとは誰もがあの甘くて美味しい「ケーキ」を想像しますが、
僕が高校生だったころ、
a cake of soap 「石けん1個」という表現に違和感を感じた覚えがあります。
 
あのお菓子の「ケーキ」ばかり頭に思い浮かべていては、いつまで経っても、理解できません。
歴史を紐解いてみると、cakeは中英語では、「平たく丸形やその他の一定の形をした表裏を堅く焼いた小型のパン」を意味していたようで、その後、イギリスに伝わり、パンに砂糖やバター・香料や干しブドウなどが加えられて、現在のような形になったようです。
 
このように、「ケーキ」というのは英語では日本語よりも意味が広いのです。
tea cakeといえば、アメリカではクッキー、イギリスでは小型の菓子パンを意味します。
では、rice cakeとは、どんな食べ物でしょうか?
答えは「餅」です。
 
なんとなく理由がわかりますか?
cake=「ケーキ」= な感じで覚えるのも大切ですが、
意味にはさらに柔軟性があって、その形の類似性から、
http://previews.123rf.com/images/kitch/kitch0807/kitch080700328/3343857-A-cake-of-soap-Stock-Photo.jpg (a cake of soap) や、 (rice cake) も表すことができるのです。
よく見ると形が似ていませんか?
言葉は経済性という観点から、むやみやたらに言葉を増やすのではなく、たものは同じ言葉で表現する、ということがよくあります。
 
cakeは団子状にした食物、石けんのような固形物、泥、雪の塊なども意味することができるのです。
 
ちなみに、「一塊のパン」はa loaf of breadと表現しますが、計量詞として用いているloafはもともと「パン」を意味していましたが、breadに意味が取って変わられ、「パン」の意味では用いられなくなり、計量詞として「一塊の」を意味するようになりました。loafは「膨らむ」と語源的に関係があるようです。いずれにせよ、これは、メトニミーによる意味変化の一種と言えるように思います。