教科書に
"Do you know this place ? I think that many of you do. This is Mont-Saint-Michel. There is a beautiful abbey on the island. It's in the north of France.Mont-Saint-Michel is one of the world heritage sites."(VISTA English Communication Ⅰ Lesson4より一部抜粋)
という文がありました。
 
ある生徒がplaceもsiteも「場所」って意味だけどどう違うの?という鋭い質問をしてくれたのに、明快な説明ができなかったので、調べてみました。生徒と創り出す授業はいつも自分の学びのきっかけとなっているなと感じています。
 
placeは「場所」を表す最も基本となる語で、コアは「(何かがある、または物事が起こる)場所」のこと。
 
a place to liveであれば、「住むところ」
Keep your passport in a safe place.であれば、「安全なところにパスポートを置いておきなさい」
Put the book back in its place. は「本をもとあったところに戻しなさい」
Britain is one of the most highly populated places in the world.であれば、「イギリスは世界で最も人口の多い場所の1つ」という意味。
活動の場所としても、placeは使います。
I'm looking for a place to park the car. 「車を駐車する場所を探している」
また、「場所」から、「箇所」という意味にも拡張して用いられます。
I have a sore place on my right arm. 「左腕に痛む箇所がある」
 
一方、siteですが、「(昔も今も、これからも存在し続けるであろう)場所」のことを指します。
だから、「敷地」とか「用地」の意味で、
The site for the new school has been bought.「新設校の用地は購入できました」のように使います。
さらに、昔も今もこれからも存在し続けるという永続性を持つ場所といえば、
「現場・跡地・遺跡」の意味でも使えます。 
an important archaeological siteは「重要な考古学的な遺跡」ですね。
 
さて、最初の教科書の英文に戻りましょう。
 
"Do you know this place ? I think that many of you do. This is Mont-Saint-Michel.There is a beautiful abbey on the island. It's in the north of France.Mont-Saint-Michel is one of the world heritage sites."
 
最初はモン・サン・ミシェルの写真を見て、読者に問いかけており、以下の文章でも"It's in the north of France."という英文があることから、「何かがある場所」としてのモン・サン・ミシェルということでplaceが使われています。最後の文章に、Mont-Saint-Michel is one of the world heritage sites."とありますが、ここでは「世界遺産として登録された場所」と言いたいわけですね。世界遺産は「昔も今も、そしてこれからも保護していくべき遺産」ということですから、「遺跡」にも近い感じですね。だからここではplacesではなく、sitesという単語が選択されているんだと思います。