久しぶりにウェイボーを見ていたら、突然、曲調も映像も明らかに日本の80年代の雰囲気のMVが流れてきた。
「水晶海豚(クリスタルドルフィン)」という曲のMVで、中国のティックトックで既に500万回以上再生されているそう。
「何、この懐かしい雰囲気⁉︎」と思い、早速調べてみた。
近年、欧米で日本の80年代のシティポップをサンプリングするのが流行っているそうだ。
オリジナルは、濱田金吾さんの「街のドルフィン」という曲。
この曲は、「街のドルフィン」を元にブルックリンの音楽制作者であるEngelwood さんが制作したMVなのだそう。
(昭和の人間なので、こういう新しい音楽ジャンルがよくわかりません。用語が間違っていたらすみません)
これが中国で流行っているのは、クセになる旋律とともに、映像の力が大きいようだ。
MVの夏らしいポップな色調の絵を描いたのは、シンガポールで活動しているインドネシア人の動画作成者のArdhira Putraさん。
↑こちらがArdhira Putraさんの作品
こういう画風を中国語で「亜州復古風」というのだそう。
女の子は江口寿史テイストだし、書かれている文字は日本語で、明らかに日本のアニメや漫画の影響を受けた、パッと見、「これぞ日本、これぞ80年代」なイラストだが、よく見ると、看板がチャイナ風(「玉出」の看板が香港っぽい)だったり、都会にヤシの木の南国風味だったりする。
80年代を知るミドルエイジの方なら、これを見て思い出すのは、もちろんこのお二人ですよね?
シティポップを代表する鈴木英人&山下達郎コンビ、永井博&大瀧詠一コンビの作品は、今見ても胸が躍る。
この頃のレコードって、ジャケットがとても大切だったから、「ジャケ買い」なんて言葉があったくらいで。
ビジュアルだけで判断すると、たまに失敗することもあったが、ジャケットには中身の音楽の魅力を視覚で伝え、アルバムのイメージを決める力があった。
今はそれがMV映像なんだろうか。
ところで、なぜ欧米で日本製シティポップなのか?↓こちらの記事を興味深く読ませていただきました。
シティポップ、私も数年前まで、80年代によく耳にした音楽、くらいの認識だったが、TokyoFMの「サンデー・ソングブック」を聴くようになり、山下達郎さんの音楽へのこだわりを知ってから、その認識を改めた。
そして、大滝詠一さんのベスト盤を改めて聴いて驚いたのは、どの曲も新鮮で、まったく古びていないことだった。
音楽への熱量が高く、一音一音こだわって作られた時代の日本の音楽が欧米でサンプリングされるというのも納得。
いやあ、懐かしい。
年がバレるけれど、まあいいや。