vs.柏レイソル―らせん構造(であってほしい) | みつぼしをこえてーglory for the fourth star

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サンフレッチェのことをうだうだと。広島のグアルディオラ(確信)森保一と紫の戦士たちの歩みとともに。









仕事を片付けてなんとか見に行けました。日立台。


ピッチレベルでの観戦体験、選手との近さは随一。であるので選手とおちかづきになれているような気がする場所です。試合はそろそろ脱却できそうな雰囲気を出せていたものの、残念そこは2016シーズンらしさと炸裂してしまい、また発狂してしまいましたが、どんなことを考えていそうだったかは結構わかったのでよかったです。


試合の流れとかぐじゃぐじゃでわけわかんなかったので以下現地で見えたことや感想のみを記します。疲れるので録画とか見ませんなので、事実誤認や記憶の混濁等あるやもしれません。そういうもんだということでお楽しみくだされば幸いです…w


しかしこんなぐじゃぐじゃ視界で戦術だの修正だのできるこの人たちって凄いね。だからといってこの試合内容を受け入れられるわけではないのだけど…w






◆開始前



・息をするのも不快なくらいの湿度。汗がまったく蒸発せず苦しい。走るとか無理。

・ミカ様復帰確認。元気にシュート練習でふかしていて安心した。

・寿人さんの練習には凄み。ピッチに居てほしかった。あんまり寿人さん活きないサッカーに変わっちゃってるのよね。折り合いをつけてほしいのだけど

・今年のサッカーは「走りたい」サッカーなのだなあという感じがある。ゼロックスの内容が一番「広島らしい」と感じているのだけど、そういうものを乗り越えないといけないというのもまた一理ある。去年までのレビューでも愚痴っている。

・そのためには前から奪えないといけないんだけど、今のメンバーと5‐4‐1という守り方では難しい。2015は主にカズ様が特攻をかける不意打ちでうまくいったけど読まれてる今年は逆に崩されるきっかけになっているのだ。その齟齬が無駄な体力と精神力を奪い、本来のビルドアップもミスが出てしまう。そのループ。

・開き直ってブロック組もうよ、が通用しなくなっている昨今の情勢=相手の5‐4‐1崩しの洗練がまた悩ましいわけで。4バック相手だとほぼ失点してる。

・それをウタカがなんとかすることで収支を無理やり合わせてきた。ウタカを活かすことに注力したことで5‐3‐2という選択肢も生まれており、金色の副産物かもしれないけども、劇薬であるという雰囲気が出ていてまた悩ましい。

・おそらく必要なのは使い分けができるようになることで、EUROもそうだったけど、攻撃的だの守備的だのポゼッションだのカウンターだのというこだわりではなく、試合の中でそれらを使い分けて自分たちの望む状況を長い時間作れたほうが勝る、ということになっている。ポルトガルがそれが一番うまかったということ。

・もともとのペトロビッチスタイルは相手がどこだろうと無理やり自分たちの土俵に巻き込むんだという理想だったのだけど、それは相当の条件と偶然が重ならないと無理だし安定しないよねということが分かっている。

・森保さんになってからは、土俵に乗ってこない?ならば我慢だ、で安定を手に入れたのだけど、本当に我慢だけだと何とかならないことも多い、特にカップ戦の頂点とかACLとか、という感じであった。

・なので今年はそういうことにチャレンジしているんだと思う。いや、そうであってほしいという単なる願望だが…w ペトロビッチ式の究極の姿はコンテのイタリアなのだろうけど。

・いずれにせよ立ち返る場所たる5‐4‐1守備が逆に弱点になってしまっているのがしんどいところ。守備のほうでも使い分けができるといいんだけど、なにか案は出せるだろうか。


・というような脈略で柏戦を応援していた。





◆前半


・柏レイソルは3バック変換から守備者を動かし、動かした裏にボールを送って一つずつ丁寧に前進させるサッカー。丁寧すぎるくらい丁寧で、育成時代から続けてきている確たる基盤を感じさせる。その丁寧さが良くも悪くもこの試合のスコアを動かすことになる。

・後ろの大谷、前線の中川がフリーマンとして振る舞う。中川君はこの役目と前線守備の切り込み隊長と、動かしまくり、走りまくり、仕掛けまくり、それを90分続けていて驚愕した。うますぎるし、タフすぎる。19番とかいう謎の番号だし、ちっちゃいし、謎の選手だったのだけど、柏レイソルの攻守の全権を担っていたと思う。凄い。代表に居ないのが最大の謎。

・動かされ、狙い打たれるのは浅野拓磨君と塩谷司さんのリオコンビ。この子たちは、そうなんだよね…動かされちゃうしそれを直せない子なのよね…マルちゃんと千葉ちゃんのカバーが涙を誘った。

・塩谷は双子の弟が出ているのか状態。クリスチャーノに自由を与えてしまい、あっさりと先制を許した。おやぶんのバカ!もう知らない!

・ていうか中山?だっけ?CKでCBをフリーにするとはどういう了見なんだ。あと柏は中なんとかが多すぎて判別が難しいぞ責任者はどこだ

・柏の丁寧な前進がSBから加速することに気付いたので、柏と清水航平を早めに当たらせることで広島は効率的な守備を実現できるようになった。マーク先がはっきりしたときの広島の3バックは強い。宮原様もセットした状態の迎撃守備はなかなかのもの。

・インサイドハーフを経験したおかげか、シャドウの二人の守備貢献もなかなか良くなっていた。ボランチが釣り出された場合の備えであったり、サイドからストッパーの脇を狙われそうなときの立ち位置であったり。浅野拓磨君も結構うまくなっていたので、やはりアーセナルに行ってほしくないのである

・攻撃面でもサイドハーフの裏をしっかり使えていて、裏抜けからクロスバーという頭を抱えるシーンもあった。やはりアーセナルに行ってほしくないのである。

・盛り返してきた広島はCK崩れからサイドに回してフリックプレーから丸谷のミドルがディフレクションして同点。マルちゃんようやくの初ゴールはチームを救う同点弾に。大仕事。

・遠くてよくわかんなかったけどハイライトだとすごいいい崩しだった。攻撃はよくなってるから5‐3‐2は文字通りの怪我の功名であろう。

・マルちゃん+柴崎晃誠先生のサポート+浅野拓磨君の裏抜け、という黄金パターンを5‐4‐1でも出せていて乗ってきた。尚、ウタカがフリーにならんのでべったり付かれて得意のラストパスが見事にすべて封じられていた。この辺りはちょっと考えないと難しそう。

・それでもウイングで叩け叩け叩け(あしたのジョー)でセットプレーからラッキーなデフレクション逆転。おやびん汚名返上。そして前半ラストプレーには完璧な柴崎晃誠先生。


・日立台といえば毎年バカ試合なので2点目を取られないようにゴールから遠い位置でボールを持ってほしいけどどやろか





◆後半


・レイソルが何かを変えた気配は感じない。(分かる方は教えてほしい)

・だがしかしびっくりするくらい前半許していなかったパスを通されてしまっている。やばい。おそらくあらかじめSBが高い位置を取ってるのでシャドウが引っ張られてしまい、中央の4人の距離が前半よりもかなり広く感じる。前半は直せてたんだけど。CBが運び始めたから困ったのだろうか(分かる方は教えてほしいその2)

・押し込まれた状態で、クリアボールに対して押し上げられず、サイドチェンジを許して悠々クロスから失点。どういうこっちゃ。

・なぜ一番危ない状況=クリアボールがバイタルエリアに落ちた場面で身体が動いておらんのか…攻撃でも守備でもレイソルの方が走ってると思うんだけど先に足が止まるよね。

・このへんは2016シーズンずっと謎。去年よりは走り回るサッカーだから、どのタイミングでセットポジション埋めるんだっけ?が錯綜しているのかもしれない。基本は同じはずなのだけど。

・この問題の深刻なところは、1点取られたあとに更にその”約束事”がカオスに陥ってしまうところである。3‐2とされた直後のキックオフは目を覆うものだった。びっくりするほどわかりやすく選手間の距離が広がったのに目の前の後ろ向きの味方にパスを付けてしまい、柏のショートカウンターのサービスタイムとなってしまった。鹿島戦の繰り返しじゃないか…

・というわけで繰り返してしまった。3-3.

・距離を広げるのは、ゴールを取りに行く都合上トランスフォームを早めにやるのでということなのだろうけど、明らかに定位置攻撃でマークをずらされ、そのために切り替えのプレスで負けて繋げないでいるのだから、5バックのままでボールを回して切り替え守備の負担を減らしつつ柏の勢いを削いでほしいところであった。というか、そういう風に相手のプレスの状況に応じてほしいのだ。危険な場面でこそ。それを鹿島戦で見たかったのだがなあ…w

・ミカ様降臨。しかし押しまくられると浅野拓磨君はドウグラスもどきとして使わざるをえなくなり、あまりボールが回ってこない。清水航平さんのクロス地獄になる。

・浅野拓磨君は本当になんでもできるようになった。ワントップならもっとチームを助けられそうな動きと強さを出してたのだけどいかんせんスタート位置が低すぎるので潰される。しかし、ボールはもらえるようになったのが成長している。

・千載一遇のクロス大外ミカ様チャンスは見事な宇宙開発。これがミカ様だ…(憤死)

・チャジタス投入。青山ポジションに入る。ゴール裏色めき立つ

・中央の危ない場所を必死に埋めてくれていたが、やはり柏の人口密度が勝る、というピンチが。うまく狭い場所で受けて回してトランジションゲームを変えてほしいということなのだと思うけれど、今のところ走って死んでくださいになっている

・皆川投入。ええいもうみんな最後の力を振り絞って走ろう!な感じ。

・最後の最後の5分間だけようやく柏の運動量に陰り。広島圧倒。よっしゃ我慢比べに勝ったぞ!…と思いきや超決定機が軒並み決まらず…柏の守備が最後まで集中していたというのはあるけど、フレッシュ皆川ちゃんはあなたそういうのをねじ込むために出てきたのだから頼むよと…w

・試合終了。仕事終わりにテレビでビール片手に見る分には面白かったのだろう。不快指数120%の気温湿度で叫びながら見る分にはかなしい試合であった。

・まあでも平日ナイターで仕事の憂さを晴らせるのはありがたいことではある。お疲れ様でした。





◆感想



・ラッキーでゲットした2点のリードを守れない。あまつさえ、逆転されてもおかしくない試合にしてしまった。撤退するならするで、前から奪いに行く時よりも激しく横パスに当たらないといけないのだけど、それが欠けてしまうのはなぜだろうか。なぜボールがゴールに近いほど緩くなるのか…w

・それで点を失い、あわてて相手がしっかりとマークについているのを無視して目の前のシャドウに頼る、遠くのウタカに頼る、そして走り去っていく。それによって生じる間延び。案の定奪われカウンターのスペースを提供する。もちろん後ろが不利なのでにっちもさっちもいかず崩される。シーズン序盤の暗黒感再びな…w


・その繰り返しを抜け出すにはどうすべきか…。そこからさらにパワーを出してひっくり返すしかないというのが難しい。それをなんとかしそうな茶島や皆川もすごいけど…もともと失点しないためのちょっとした配慮だけで済む話を膨大な労力で取り返さねばならないということ自体がゆがんでいるので、それではなかなか状況は上向かないのではないか。


・まあ、そういう”繰り返し”の中にも向上していくようならせん構造で上に行ければ良いですね。今回でいえば前半で距離感を修正したひっくり返したということ。4点目を許さず最後は4点目を十分狙える状況にもっていったこと。ただ、やはり押しまくられたときが攻守にどうしようもないのでとりあえずビルドアップだけは使い分けるように変えたほうがいいと思う。


・守備も使い分け出来たらいいのだけどなんか無理そうだし、あとおそらくウタカが読まれまくっているのを彼自身の努力と周囲のサポートで乗り越えられればまた量産体制に入れそうなくらいにはチャンスは作れてるので、ということでとりあえずビルドアップだけなんとかなればいけるのではと考えている。


・とにもかくにも想定の不足である。いくらでもやり直せるタイミングがあるのに勢いに流されてしまっているのが悲しい。キャプテンシー的なものだろうか。陣形でもいいし、ただの話し合いでもいいけど、何かを変える必要がある場合はロッカーで激怒する前にピッチで激怒したほうが早いと思う。イリアンストヤノフさんを懐かしく思う今日この頃。どうせ人海戦術なのだから、鬼軍曹がいればなんとかなるかもしれない…w


・答えを見つける旅はまだまだ続きそうである。ここにきて中盤の才覚を出し始めている浅野拓磨君がいなくなってしまうというハードモードなのが…wロペスにドウグラスの幻影を見るか…それとも…




では。