西国巡礼三十三所の 三十三番目。
満願達成のお寺です
第三十三番 谷汲山 華厳寺(たにぐみざん けごんじ)
岐阜県 揖斐郡谷汲村
“東国の人が伊勢参宮からはじめて南紀を回って青岸渡寺(第一番)に参り、
近畿の霊場を巡拝して、最後に岐阜県美濃国に入り、華厳寺参詣して
東国に帰る順路を示すものと考えられる。”
“山門の前には比較的に長い門前町が続く。この町は三十三番の札所巡りを
無事にすませた人たちのくつろぐ場所の門前町であったようである。”
~西国巡礼 佐和隆研著より
岐阜のお寺に詣でるには 奈良からは一泊しないと行けません。
遠い!!
山門から本堂までの参道。
山門まで続く門前町は 当時がいかににぎやかで栄えていたかを
想像するに難くないほど、お店がずらーーーっと並んでいました。
今までお参りしたお寺の中で 一番広く長い門前町。
ただ、令和の現在 営業されているお店は半分ほどかもしれません。
それらのお店や家屋をながめていると、何とも言えない懐かしさ、
郷愁というか、何百年も前の様子が浮かんできて(映画や小説や舞台の光景みたく)
ちょっと胸の奥がチクッと切なくなる。
ほんとにぎやかでたくさんの善人善女が集まってきたんだろうなー。
8月の平日でしたが、巡礼の人が途切れることはなく
駐車場もお寺の近くに700~800台ほど用意されていて
閑散とした雰囲気はないのだけれど・・・・
このお寺だけがこのあたり一帯の山の村落の中で
華やかな地だというのは 今も昔も変わらないようです。
広い境内には 三十三所の満願・結願としての独特の解放感が漂っています。
本堂。
「世を照らす仏のしるしありければ まだともしびも 消えぬなりけり」(現在)
本尊十一面観音菩薩像は秘仏で拝することはできません。
「万世の願いをここに納めおく 水は苔より出る谷汲」(過去)
「今までは親と頼みし笈摺(おいづる)を 脱ぎて納むる美濃の谷汲」(未来)
と、ここまで記してきたけれど
まだお参りしていないお寺がありまして・・・・
私は満願達成ではないんですよねー(-_-;)
今年中に達成できるかな?
岐阜には 父方の父母や親戚の墓所があります。
きっとまだ住んでいらっしゃるはず・・・。
ずいぶん前 まだ父が元気だった頃は
家族で法事にも行ってたのですが、
今は私が 訪ねていっても誰もわからないだろうな。
やさしくてユーモアのあった叔父さんや叔母さんたちも亡くなったし
甥や姪、いとこたち、もう名前さえ知りません。
家族、系統は完全に 崩壊してしまいました(私的に)
それでも 華厳寺の門前町に感じた気持ちと同じように
長良川の風景を見ると
あの頃のたくさんの親戚たちのたたずまいとか笑顔が
かすかな切なさと懐かしさと一緒に、心中から沸いてきます。
過去・現在・そして未来へ。
無事にお参りできてよかったです。
ありがとうございました。