日記はこの世で一番難しいジャンルだと常に思っています。

ハイペースな日常の中で、出来事をいちいち覚えてから文字に変換するのはあまりにも重労働すぎると…

でも時々、記憶が日々薄れていく事を思い出します。

そしてつい、その忘れたくないモノたちをもっと頼りになれる形で残したくなります。

だから久しぶりに思い出を頭のあちこちから引き出そうとしています。

 

 

日記ほど大げさなものではなく、

私の中に浮かび上がったキーワードたちを付箋に書いてからボックスに入れて、

気が向く時に一枚を引いて、思い出せる些細な事を文字に変わる。

曖昧かもしれませんし、誤差もあるかもしれませんが、

私の誠実な思い出の綴り。

 

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Entry. 01

 

何日か前の夜、ベッド側の窓を少し開けたまま眠りに落ちていた。

翌朝、カサカサの音に起こされた。

携帯を見たらセットしたアラームはまだ一つも鳴っていない。

頭を逆方向へ向け、窓の隙間から差し込む日差しと風を右頬で感じ取れながら、

二度寝を試みた。

またカサカサの音がした。

体はまだ睡眠中みたいで、目蓋を開ける事すら簡単にできなかった。

結局右目だけを少し開け、メガネ無しでぼんやりとしている視界の中に、

窓に張った網の向こうに白い紙片が見えた。

吹き込む風が紙片を叩き、カサカサと音を立てていた。

窓まわりに本とかが何冊並んでいたが、紙片なんて置いていなかった。

(今その事を書いていると、そもそも紙は窓の向こう側についていたな~と気づくが^^;)

だるい頭で「変だな~」と思いつつ、その紙に何か書いているかもと思い始めた。

好奇心は少し湧き始めたが、体がまだ休みたいみたいで、

半うつ伏せの体勢でじーと紙片を見つめることしかできなかった。

「紙に何か書いている」という妄想を脳内で繰り広げ、SOS信号からラブレターまで一通り考えた。

でもカサカサの音と風と日差しはあまりにも心地よくて、考えながらまた眠りに落ちていた。

次に目が覚めた時、風はまだ頬に当てていたが、紙片とカサカサの音が目と耳から消えた。

 

結局、その紙片はただのゴミかもしれない。

それでも、頭でいろんなシナリオを作り上げたから、

その霊感の源が消えて、少しショックと後悔を感じた。

 

でもやっぱり、あの紙片には何かのメッセージが書かれていたと信じたいと決めた。

視野がぼやけていた分、イマジネーションでハッキリにすればと。