大学生の頃。

お昼ご飯は、大学の近くの定職屋さんで食べていた。

お昼時はもう、学生やらサラリーマンでごった返しの定食屋さん。

メニューも庶民的だし、値段も安かった。

鯨の肉の甘煮定食。

豚肉しょうが焼き定食。等々スタンダードメニューの横に、何と堂々と「納豆定食」なんてものまで並んでいた。




納豆定食。それは!!おかずなし。

ご飯と納豆とお味噌汁の組合せ。

これで、100円を切る値段。安かった。

ボンビーなボクたち学生にとって、この納豆定食が貧窮した時の救いの神だった。

学生街の定食屋さん。

おかわり自由だよ・・・なんてお店すらあった。ありがたかった。

思わず、合掌。礼拝。お店の前で何度もした。


2時間目の授業が終わると昼ご飯。

ボクらが行きつけの定食屋さんに行くと、早くもそこは客でいっぱいだった。

そんな時ボクらは、もう少しで食べ終わりそうな人の席の後ろに着くことにしていた。

こいつは、あとご飯がちょっととお味噌汁しか残っていないから5分で帰るな。

なんて計算しながら、食べてる客の後ろに張り付くのだ。

でも時々、あてが外れることもあった。

せっかく食べ終わった客が、急に食べ足りなかったのか、ご飯のおかわりをし出すのだ。

「おじちゃん、ごはんのおかわりとお茶頂戴」。

そしてその客。

ご飯にお茶をかけてはまた、おいしそうに食べ始めるのだ。コノヤロー。

そんな時は、なんでこのお店。

「おかわり自由なんだよ!?」って店のおやじを恨んだりしてみた。

人間は本当に、わがままな動物なのである。

そしてその後。

お茶漬け男が帰って行くやいなや、そのお茶漬けの席にボクらはさっと座った。

待望の昼ごはん開始だ。

ちなみにボクが好きだったのは。

さんま定食。大根おろしをかけて食べるのが、たまらなくおいしかった・・・。