チャイムが鳴るまで閉じておいてください。

そう言われて配られた定期テストの問題用紙。

じーっと見ると問題がうっすら見えちゃうような、わら半紙に刷ってある。

それを机の上において、テスト開始のチャイムが鳴るのを待つ時間は、緊張感で漲っていた。




ボクは。

中学校に入ってから、気づいたことがある。それは・・・。

テストって大事なんだよねってこと。

テストによって成績が決まるということ。

これらのことって、恥ずかしながらボクは中学生になるまで気づかなかった。小学生の頃は、自分が勉強をどこまで理解しているかということを見直すためにテストってあるんだろうなぁって思っていた。

まさか、それが成績の「ネタ」に使われているなんて、夢にも思っていなかった。

「テストって、自らのリフレクションに係る行為の参考資料として使うことが目的ではなく、先生がボクらを「値踏み」するために行われていたのだ・・・」。

中学生になり、それに気づいた時。

ボクは、テスト勉強をしっかりしなければいけないのだなぁと気がついた。

ボクらの中学生の頃は、驚いたことに上位の子どもたちのテスト点は順位とともに公表された。

そして、ボクらもそれを当たり前のこととして受け止めていた。

貼り出されることに、誇りを持っていたし。

貼り出されたいって願望すらあった。

それではボクのテスト点は、校舎の壁に恭しくも貼り出されたのか・・・というと。

それはここでは置いといて・・・、テスト一つとっても。

昭和は今とはずっと違っていたということだ。

そう言えば高校入試で、合格者の名前が新聞に掲載されたし。

大学入試の時も、新聞にそれが記されていた。

昭和の時代。

平成の今とは、何もかも違っていた。