BGM:イエスタデイ ポール・マッカートニー

http://www.youtube.com/watch?v=ONXp-vpE9eU


初めて買ったビートルズのレコード。

それは、イエスタデイのドーナツ盤だった。

中学2年生。

静岡お町のレコード屋さん「すみや」で買ったイエスタデイのジャケットは。

ビートルズの4人が、なが~い一本のマフラーをみんなで巻いているものだった。


若林で見た空


ボクはまだ。

その4人の写真のどれが誰なのか、区別がつかなかった。

「ははぁ~ん。このバンドは、4人でまかなわれているのだな」。

それがボクにとっての発見であったくらい、ボクはまだビートルズのファンの入り口に立つ少年だった。

そんなボクよりも一足先にビートルズファンになった女の子が、ボクの隣の席にいた。

Aさん。

彼女は、クラス中の男子が憧れるマドンナだった。

ボクは、イエスタデイのレコードジャケットを学校に持っていき、彼女に見せてどれが誰なのかを教えてもらった。

「いい、GINクン。これがポール、これがジョン、これがジョージで、これがリンゴよ。」

「ポールは、ポールマッカートニー。ジョージは、ジョージハリソン・・・」。

彼女の説明は、優しくて、丁寧で、的確だった。

そして、「GINクン。私もイエスタデイ、大好きだよ。」彼女はそう付け加えた。

いや。

ボクの記憶が曖昧だからそのへんの順序がハッキリしないのだけど。

もしかしたら、「私、イエスタデイが好きよ」。の彼女の言葉がきっかけで、ボクはそのレコードを買ったのかもしれなかった。

曖昧な記憶。

それほど、時は経ちすぎた。

ただ、ボクの部屋にはまだ、イエスタデイのドーナツ盤があるし、彼女とイエスタデイを語り合い、ジャケット写真のどれが誰なのかを教えてもらった記憶がある。

イエスタデイ 幸せな昨日。

ほんの先程のように感じる幸せな時間はもう、遥か彼方に遠のいたのだ。

そして、ボクは忘れていた。

かつて、イエスタデイをきっかけにビートルズにのめりこんでいったことを。

最近、それをふいに思い出した。もちろん・・・・。

きっかけは、ポールの来日だった。